ブランドマーケティング戦略専門のコンサルティング会社インサイトフォースの山口義宏代表に加え、デジタルメディア活動家として数々のメディア経営に携わっている田端信太郎氏が、企業の現場に出向いて戦略の中身を掘り下げていく当連載。6ブランド目は、シニア女性に特化した定期購読誌でありながら、定期購読者20万部を誇る雑誌「いきいき」を取り上げる。今回は、経営破たん後のいきいきを見事に蘇らせて再生した、宮澤孝夫社長との鼎談の後編をお送りする。
(構成:片瀬京子)
(前回から読む)
宮澤:私どもの雑誌「いきいき」は多くの雑誌と異なり、広告を取ることを主眼にしていません。
田端:あえて、ですか。
宮澤:はい。私どもは、広告代理店や企業からは、「広告基準がうるさい」ととても評判が悪いのです。これはどうかなと思うような健康食品の広告は絶対に載せませんし、記事広告(編集部注・記事に見える広告)についても、絶対に広告だと分かるクレジットを入れることにしていて、クレジットを入れないというなら、その広告は断っていいという路線で来ています。
山口:最近のネイティブアド問題にも通じる話ですね。ともあれ、広告の掲載ポリシーを厳しくしていった結果、広告のボリュームが大きくなっていないということですね。