四国アイランドリーグplusにとって、まさに青天の霹靂(干天の慈雨よりこっちの方がより的確だ)。吉と出るか凶と出るかも含めて、突発的な事態の発生だった。
当サイトや、ベースボール・チャンネル、「読む野球」でもお知らせしている通り、四国アイランドリーグplusは今年、大きな変革を打ち出した。
ペナントレースを80試合から68試合に圧縮して4,5月、8,9月の2期で消化し、6,7月は選抜チームを編成してアメリカの独立リーグで交流戦を行う。
すでに選抜チームは発表され、6月6日には壮行記者会見を行う予定だったが、その矢先に藤川のニュースが降ってきたのだ。
ある意味で、四国は今年最大のニュースを発表するタイミングで、派手な花火に目くらましを喰らったような形になった。メディアは6日の壮行会よりも8日の藤川の入団記者会見に群がるだろう。
従来から四国アイランドリーグplusは「興行収益に頼らない球団経営」を追及していた。今の経営者はベンチャー系など企業経営のプロが揃っている。興行収益だけでなく、スポンサー収入や自治体との連携など、収益構造を多様化して経営の安定を図ろうとしている。今回の改革は、それをさらに推進するものだった。「国際化」を表看板として、同時に「合理化」を断行する。ペナントレースのコストを削減し、これまで資金援助をしてきた企業への負担の軽減を図ろうとするものだった。
四国4県の人口は414万人、大阪府や神奈川県の半分以下だ。このマーケットで興行収益を原資とするビジネスを展開するのはそもそも厳しかった。
1800万人超のマーケットを相手にするルートインBCリーグとは違う経営スタイルになるのは、不可避の選択だった。
そのかわり四国は「人材育成」に集中した。8球団のルートインBCリーグよりも、四国からNPBに送り出す人材が多いことがそれを物語っている。
四国がBCよりも、NPBの人気選手を獲得することに消極的だったのも「興行」よりも「人材育成」を優先させていたからだ。
そのビジネスモデルは確固たるものになりつつあった。
率直に言って私は四国の試合を見るたびに「興行収益に頼らない経営は立派だが、試合そのものが“形骸化”する恐れはないのか」と思っていた。
多くても数百人、少ないときは百人足らずの前で試合が行われる。いくら育成とはいっても、高校野球の予選よりも少ないお客の前でプレーをするのは「プロ野球」としてどうなのか。モチベーションは維持できるのか。との思いを常に抱いていた。
藤川球児の加入によって、高知戦は数千人の観客動員が期待できよう。
球団、そして四国アイランドリーグplusは、この千載一遇の機会を無駄にしてはならない。
試合内容の充実を図るとともに、四国アイランドリーグplusの魅力を、初めて見るお客にしっかりと告知すべきだ。
8、9月の34試合の内、藤川が投げるのはせいぜい10試合程度だろうが、投げない日も藤川が何らかのアピールをするなど、興行的な協力を求めたいところだ。
さらに言えば、藤川球児が来年以降NPBに復帰するとしても、四国とのつながりを維持するような仕組みを作るべきだ。
例えば、藤川だけでなく、四国4県出身の選手が四国アイランドリーグplusのアドバイザーに就任するとか、NPB球団と独立リーグの交流戦を活発にするとか、NPBとのきずなを深めるアクションを起こすべきだ。
鍵山CEOなど四国の幹部は、NPBに対しこれまでそういう働きかけをずっと続けてきた。しかし「暖簾に腕押し」だった。NPB側は問題意識を持っていないし、その能力もないからだ。
藤川フィーバーをきっかけに、そうした努力を再開し、NPBとの関係強化、最終的にはNPBのファーム化へ向けてものごとを動かすべきだ。
私は藤川の四国挑戦の話を聞いて、江夏豊の南海移籍を思い出した。この年、春のキャンプ地は江夏を一目見ようというお客と報道陣でごったがえした。
しかしシーズンが始まると、江夏の登板試合以外はほとんど何も変わらなかった。
南海ホークスはこれをビジネスチャンスにすることができなかった。
四国アイランドリーグplusは、メディアでの露出や、人々の関心の高まりを、ビジネスチャンスととらえて最大限に活用してほしい。藤川球児自身もそれを望んでいると思う。
私のサイトにお越しいただき、ありがとうございます。ぜひコメントもお寄せください!
↓
クラシックSTATS鑑賞もご覧ください。
歴代30勝一番乗りチーム・セ・リーグ平成編