先月24日午後6時ごろ、ソウル市広津区のホテルの客室に刃物を手にした中国人のA(28)が台湾の暴力団員5人とともに押し入った。狙いは客室にいた中国人B(40)が持っていた9億4000万ウォン(約1億円)。Aら6人はBとその仲間(35)に刃物を振りかざして負傷を負わせ、両手を縛り上げると、カバンやショッピングバッグに詰め込まれた100万ウォン(約11万円)、500万ウォン(約56万円)の束数十個を手にしてホテルから逃走した。
このカネは、Bがボイスフィッシング(電話を使った金融詐欺)で手に入れたものだった。Bは今年4月以降、検事を装って電話をかけ、複数の被害者から2000万-4000万ウォン(約220万-450万円)ずつ巻き上げた。Bはこれを人民元に両替して詐欺グループの上役(31)に送ることになっていたが、警察の取り締まり強化で両替が難しかったため、カジノで知り合ったAに違法な両替を依頼した。
だが、カジノで負けて8000万ウォン(約900万円)ほどの借金を負っていたAはBの頼みを聞き、そのカネを奪うことを思いついた。詐欺で手に入れたカネであれば、強盗に遭っても警察に届け出ることはしないと踏んだのだ。Aは警察が身元を照会できない台湾の暴力団員5人を雇い、犯行直後に出国するため6人分の航空券を準備していた。
広津警察署は2日、仁川国際空港で出国審査を終え、搭乗を待っていたAら6人を逮捕したと発表した。また、強盗被害を警察に届け出たBとその仲間2人も、警察の取り調べで詐欺の犯行が明らかになり、逮捕された。