韓国で中東呼吸器症候群(MERS)の感染が拡大している問題をめぐり、大統領府は2日、秘書室内に「MERS関連緊急対策班」を設置し、24時間体制で対策を講じていくと発表した。対策班は玄定沢(ヒョン・ジョンテク)政策担当首席秘書官を班長とし、八つの関係部署の秘書官により運営され、状況を管理していく方針だ。
朴槿恵(パク・クンヘ)大統領が前日の首席秘書官会議で「保健分野の持てる力を総動員せよ」と指示したのを受け講じられた措置の一つといえるが、「ワンテンポ遅い対応だ」と指摘する声も少なくない。これまでにMERSにより2人が死亡し、3次感染者も発生、国民の不安感が最高潮に達している時点で対応したためだ。
政界でもMERSをめぐり、口論を繰り広げるだけで、苦悩しながら解決法を探るという姿勢は見られない。野党・新政治民主連合はこの日「重大な事案であるだけに、文亨杓(ムン・ヒョンピョ)保健福祉部(省に相当)長官が(国会の)担当常任委員会に必ず出席するべきだ」と主張したが、与党セヌリ党が難色を示し、結局会議は物別れとなった。
新政治連合はまた、MERSへの初動対応に失敗した政府と大統領府を激しく非難した。文在寅(ムン・ジェイン)代表は「朴槿恵大統領は国会が開かれる日に論争を仕掛けて対立をあおることだけに関心を示し、MERS問題には全く関心を示さなかった。大統領府と大統領が手をこまねいていたことが、問題を大きくした原因の一つだ」と述べた。また、李鍾杰(イ・ジョンゴル)院内代表は「大統領は国会法改正案をめぐって大げさにふるまうのではなく、本当に国民が恐怖を感じているMERSへの対策を講じてほしい」と主張した。
一方、セヌリ党は野党側の発言には対応せず、政府に批判の矛先を向けた。ユ・スンミン院内代表は最高委員会議で「保健当局は初動対応の方法について原点に立ち返って見直すべきだ。また、国民の不安や政府に対する不信感を解消するため、情報提供の努力も並行すべきだ」と述べた。