「中国版セウォル号船長」 長江転覆事故直後に脱出

 1日夜に中国湖北省の長江で沈没した旅客船の船長が事故発生後に船員の一部と共に泳いで岸に上がっていた事実が判明し、船長が無責任にも船を捨てて逃げたのではないかと論議を呼んでいる。

 中国国営中央テレビ(CCTV)などは、事故を起こした旅客船「東方之星」に乗っていた船長、機関長ら7人が事故直後に船を離れ、泳いで脱出後、地元住民の助けで当局に通報したと報じた。船長は「船が突然強い竜巻に遭遇し、あっという間に転覆した」と話しているという。公安当局は船長と機関長を拘束した。

 乗客の家族らは、船長が先に脱出したという事実に憤りを覚えているという。船に夫と義父が乗っていたという女性(49)は外国メディアの取材に対し、「なぜ乗客が行方不明になっているときに船長は船を離れたのか」と述べ、乗客リストの公表を求めた。中国のネットユーザーからは、韓国で昨年起きたセウォル号事故のイ・ジュンソク船長と比較し、今回乗客を救えなかった船長を「処罰すべきだ」との声が上がっている。

 しかし、今回の事故はセウォル号の事故とはさまざまな面で異なるため、船長をむやみに責めるのは難しいとの見方もある。地元海事局関係者は、東方之星はわずか1-2分で転覆したため、船員が乗客を救助する時間は十分になかったとみている。一方、セウォル号は船が傾き始めてから完全に沈むまで90分あった。また、「事故が夜間に発生したため、寝ていた乗客が素早く対処することも難しかった」という生存者の証言もある。

 ただ、船の沈没時間は午後9時28分なのに対し、通報があった時間が午後11時50分で、一部中国メディアは船長が当局に速やかに連絡しなかった疑いがあると指摘している。

 中国のニュースサイト「荊楚網」などは、最近実施された一部旅客船の安全検査で乗客への安全呼びかけがしっかりとなされていなかったことが判明した点を挙げ、「今回の事故で中国の『安全不感症』が関心を集めることになった」と伝えた。

イ・ボルチャン記者
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