【社説】MERS感染拡大、韓国政府は全力で阻止せよ

 韓国で伝染病の感染対策などを行うのは疾病管理本部だが、一連のずさんな対応を目の当たりにすると、今も把握できていない患者がかなりいる可能性も考えられる。また政府が感染経路をしっかりと把握しているのかさえ疑問だ。現在、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)などネット上ではMERSと関連する根拠のないうわさやデマがすでに広まっており、国民の不安をあおっている。そうなった原因は政府の初期対応が完全に失敗した上に、MERSに関する正確な情報が国民に提供されていないことにある。ある医療関係者は、感染が疑われる患者を発見したにもかかわらず、その事実を保健当局に申告していなかったという。

 MERSを引き起こすMERSコロナウイルスに感染すると、まずは肺炎の症状が出て、37.5度以上の熱やせきが出て息苦しくなる。中東では致死率が41%に達するが、ワクチンも治療薬も現時点では開発されていない。MERSは感染からの潜伏期間が2週間とされているため、今週が感染拡大の大きなヤマとなりそうだ。もし追加の感染を防ぐことができなければ、国全体が大混乱に陥り、旅客船「セウォル号」沈没の時と同じく、国民の誰もが政府の無能さを大々的に批判するようになるだろう。

 そのため政府はこれまでとは全く違った発想と覚悟を持って対応に当たらなければならない。まずは感染経路と感染のパターンを正確に把握し、その上で的確な対策を立てねばならない。今回、患者の中には感染者と接触した事実を医療関係者に伝えていなかったケースもあった。そのため今後の感染拡大を防ぐには、国民の積極的な協力もぜひとも必要だ。

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