楽器やシンセサイザーなどの音源とエフェクターやミキサー、オーディオインターフェイスなどを接続するのに必要なのがオーディオ・ケーブルですが、このケーブルの接続端子には様々な形状が存在し、使用する機器によって用いるケーブルも異なります。
音楽制作において一般的に使用されるケーブルは以下の通りです。
XLR
一般的にキャノンと言われるXLRは、主にマイクの接続端子に用いられています。エフェクターでは、マイクを直接接続して使用するボコーダーなどのボーカル用のエフェクターに搭載されています。
XLR端子には、オスとメスがあり、それぞれに3つの接点を持っています。この3つの接点は、一般的には1番シールド、2番ホット、3番コールドと異なる音声信号などを通す役割をしています。
出典:Neutrik
フォーンプラグ
楽器の世界において最も多く使用されているのが、フォーンプラグです。フォーンプラグには、ギターなどで使用されるモノラルと、ヘッドフォンなどで使用される3点接触のステレオタイプが存在します。
この他に上記のフォーンプラグを小さくした形状のミニプラグが存在し、この多くはスマートフォンやタブレットに搭載されています。
出典:Switchcraft
RCAプラグ
一般的に赤白やピンプラグと言われるRCAは、テレビや家庭用のオーディオ・システムに使用されており、一般の方にも馴染みのあるプラグですね。楽器の世界では主にDJミキサーやターンテーブル、CDJに用いられており、DJ用のエフェクターにも搭載されています。
バランスとアンバランス
接続に用いられる端子の種類は上記で説明しましたが、ケーブルの接続においてバランス接続とアンバランス接続と言う言葉もよく耳にすると思います。どちらの端子を使用しても音は出力されるので、その違いについて分からない方も多いのではないでしょうか?
ギターなどで使用されるモノラルのフォーンプラグや、DJ機器に使用されるRCAプラグはアンバランスで、フォーンプラグは先端部、RCAプラグは真ん中の突起部で音声信号の送受信を行っています。
そして、フォーンプラグの根元の部分や、RCAプラグの回りの部分はシールドと呼ばれ、家電製品などで見られるアースの役目を果たしています。
バランス接続は、通常の音声信号をホットと呼び、+で表し、逆走の音声信号をコールドと呼び、-で表します。この位相を反転させた逆走の音声信号をラインで送って、受ける側で再度位相を反転させて基の音声信号と混ぜ、途中でケーブルに入り込んだノイズを最小限に抑えてくれます。
よってバランスとアンバランスの違いは、音質の違いと言うよりは、ノイズに強いか弱いかの違いとなり、ライブなどの10m以上の長いケーブルを使用してPA機器やレコーディング機器との接続を行う場合に多用されます。
長いケーブルを必要としない自宅などの接続では、理論上はアンバランス接続でも問題なしと言うことになります。
バランス接続ではホットとコールドの2種類の音声信号を送るので、アンバランスに比べてもう1つのラインが必要となり、XLR端子では1番シールド、2番ホット、3番コールドの信号が使用され、ステレオのフォーンプラグでは、チップ(ホット)、リング(コールド)、スリープ(シールド)が使用されます。
ステレオ・フォーンプラグではこの頭文字を取ってTRSプラグとも呼ばれ、モノラル・フォーンプラグではリングがないのでTSプラグとも呼ばれます。
バランスとアンバランスの違いについては、ちょっとマニアックなお話ですがお分かり頂けたでしょうか?
ちなみにフォーンプラグの場合、音源側の楽器や、信号を受ける側のミキサー、オーディオインターフェイスに搭載されている端子がバランスに対応しているものとそうでないものがあります。
バランス接続に対応していない機器にバランスケーブルを接続してもその効果を得ることはできませんので、ご注意ください。
トップ画像出典:OYAIDE