Stripeが5月19日ついに招待制のベータテストを開始したことでも、改めて注目が集まっているオンライン決済サービス。今回はビジネスオーナー向けにそもそもオンライン決済サービスとはという話から、5大オンライン決済サービスの比較まで徹底的に解説いたします。
[目次]
1. そもそもオンライン決済サービスとは?
2. PayPal
3. SPIKE
4. Stripe
5. WebPay
6. Yahoo!ウォレット FastPay
7. まとめ※比較表有り
※結果のみ知りたい方は「まとめ※比較表有り」からご覧ください。
そもそもオンライン決済サービスとは?
オンライン決済サービスを導入する大きなメリットのひとつは、個人事業主や中小規模の法人であっても、安く簡単に自社のWebサイトにクレジット決済を導入できるということ。
通常、個人や中小企業がカード決済を導入するには、カード会社の厳しい審査を通過する必要があり、またこの審査には数週間から数ヶ月かかることもあります。また仮に審査を通ったとしても、登録費用や月額費用がかかるため、なかなか個人や中小企業がクレジットカード決済を自社のサービスに導入するのは難しいという問題がありました。
そこで登場したのがPayPalを始めとするオンライン決済サービス。料金を支払う側と料金を受け取る側の間に、このオンライン決済サービスが介在することで、料金を受け取る側がカード会社と直接契約しなくても自身のWebサイトでクレジット決済を導入できる仕組みです。また、基本的にオンライン決済サービスは初期費用、月額料金は無料。受け取り金額に対して課金していく場合が多いことも大きな特徴となっています。
PayPal
言わずと知れたオンライン決済サービスの巨塔PayPal。テスラモーターズやスペースXのCEOとして知られるイーロン・マスクが創設者であることでも有名です。相次ぐライバル企業の参入により、一時期よりシェアは落ち込んだものの、現在でもアクティブユーザーを1億人以上を抱える世界最大のオンライン決済サービスです。UIが古臭いのが玉にキズ。
ウェブペイメントスタンダードプラン
・初期費用:0円
・月額利用料:0円
・決済手数料:1件ごとに決済額の×3.6%+40円)
・※振込手数料:基本0円(5万円以下は250円)
・返金手数料:0円
・対応クレジットカード:VISA、MASTER、JCB、AMEX、Diners
・※月額課金(継続課金)への対応:有り
※振込手数料:PayPal上で決済して得られた金額は、PayPal口座というオンライン上の口座に入金されます。このお金を引き出すためには自身の銀行口座に改めて振り込む必要があります。つまりPayPalでは5万円以上をPayPal口座から自身の銀行口座に移す場合、手数料は無料になるという訳です。
※月額課金(継続課金):月額〇円など、定期的に登録されたクレジットカードから料金を引き落とすサービスに対応しているかです。
SPIKE
最近日本で急速にシェアを拡大しているのが、国内発のメタップスという会社が運営するSPIKE。堀江さんあたりが割と盛んに取り上げていたこともあって、2014年ごろからなかなかの勢いで日本国内に広がっています。価格的にも他のオンライン決済サービスより安く抑えられている部分があり、今後要注目のサービスであることは間違いありません。
料金プランは決済手数料が月100万円まで無料の「フリープラン」と、月1000万円まで無料の「ビジネスプレミアム」が用意されており、ぱっと見は明らかに他のサービスより安いように感じますが、決済手数料以外の料金がかかってくるのでその点は注意が必要です。
また、JCB、AMEX、Dinersに関しては決済対応するために5,000円/月それぞれ払う必要があり、この3種類の決済に対して残念ながら無料枠は適応されないそう(1件当たり3.4%+30円)。個人的にはJCB対応が無料だったら文句なしだったかなという感じではあります。
フリープラン
・初期費用:0円
・月額利用料:0円
・決済手数料:決済額が100万円/月までは無料、その後1件ごとに決済額の×4.0%+30円
・振込手数料:500円
・返金手数料:決済から3日目までは0円。それ以降は250円
・対応クレジットカード:VISA、MASTER(JCB、AMEX、Dinersは有料)
・月額課金への対応:無し
ビジネスプレミアム
・初期費用:0円
・月額利用料:3,000円
・決済手数料:決済額が1,000万円/月までは無料、その後1件ごとに決済額の×2.5%+30円
・振込手数料:500円
・返金手数料:決済から3日目までは0円。それ以降は250円
・対応クレジットカード:VISA、MASTER(JCB、AMEX、Dinersは有料)
・月額課金への対応:無し
Stripe
2015年5月19日に招待制ベータテストを開始したStripe。個人的に日本でのオンライン決済サービス本命は、期待も込めてStripeかなと思っていたりもします。Patrick CollisonとJohn Collisonの若き兄弟によって2011年に設立されたStripeはシンプルなコードでサイトに埋め込めることと、きれいなUIを売りに、欧米では対PayPalでかなりいい戦いをしています。満を持して2014年、日本法人を設立。本公開は今年末になる予定だそう。
ちなみに現在(5月28日)ベータテスト中で料金プランは公開されていないのですが、メールを送ったら教えていただけました。ありがとうございます。というわけで確定版ではありませんが、暫定的な料金プランを以下に書きたいと思います。
料金プラン(仮)
・初期費用:0円
・月額利用料:0円
・決済手数料:3.6%
・振込手数料:週1回まで0円
・返金手数料:0円
・対応クレジットカード:VISA、MASTER(JCB、AMEX順次対応予定)
・月額課金への対応:有り
WebPay
2015年2月にLINEによる買収が発表されたWebPay。今後どのようにLINEのサービスと絡んで行くのか、気になるところではありますが、今までの決済サービスは継続して提供されていくことが決まっています。月額料金がかからないスタータープランと月額9,800円にプロププランが用意されており、プロプランの場合は決済手数料が安くなります。
また、VISA、MASTER、JCB、AMEX、Dinersの5大カードにしっかり対応しているものうれしいポイントです。
スタータープラン
・初期費用:0円
・月額利用料:0円
・決済手数料:VISA、MASTER 3.25%/JCB、AMEX、Diners 3.40%
・振込手数料:0円
・返金手数料:0円
・対応クレジットカード:VISA、MASTER、JCB、AMEX、Diners
・月額課金への対応:有り
プロプラン
・初期費用:0円
・月額利用料:9,800円
・決済手数料:VISA、MASTER 2.69%/JCB、AMEX、Diners 3.40%
・振込手数料:0円
・返金手数料:0円
・対応クレジットカード:VISA、MASTER、JCB、AMEX、Diners
・月額課金への対応:有り
Yahoo!ウォレット FastPay
Yahoo!が提供するオンライン決済サービスYahoo!ウォレット FastPay。5大クレジットカードにしっかりと対応していることと、今回紹介しているサービスの中でもダントツで分かりやすい料金プランは結構好感が持てます。
・初期費用:0円
・月額利用料:0円
・決済手数料:3.25%
・振込手数料:0円
・返金手数料:0円
・対応クレジットカード:VISA、MASTER、JCB、AMEX、Diners
・月額課金への対応:有り
まとめ※比較表有り
さて長い前置きでしたが、ここからが最も重要な部分、決済単価/決済数ごとの手数料比較です。ただ上ご覧いただいた通り、各社の料金プランは複雑なのでなかなか単純な比較は難しいのですが、最近僕のハマっている朝ドラ「まれ」に出てくるパティシエ池畑大悟も「何かを得るにはなにかを捨てなくてはいけない」的なことを言っていたので、ここは思い切って以下のように仮定して手数料ランキングを作成いたします。
・期間は1ヶ月間
・決済に使用されるクレジットカードはVISAとMASTERのみ
・振込は最も手数料が安くなる形で行う
・返金は無し
というわけで「決済単価」(1,000円、5,000円、10,000円)=「お客さんが一回あたりに決済する金額」と「決済回数」(10回、100回、1,000回)=「決済するお客さんの数」ごとに手数料の表を作ってみました。
決済手数料は赤<オレンジ<青の順になっています。
表から分かる全体的な傾向として、
・0円<月間決済金額合計<100万円 → SPIKEフリープラン
・100万円<月間決済金額合計<1,000万円 → SPIKEビジネスプレミアム
・1,000万円<月間決済金額合計 → WebPayプロプラン、SPIKEビジネスプレミアム
が今のところお得かなという感じがします。
ただ、これだけだとSPIKE最強説が巷に流れてしまう訳ですが、以下の点は注意すべきだと思います。
1.自社サービスは月額課金(定額課金)が必要か?
SPIKEは月額課金(定額課金)に今のところ対応していません。従って、自社のサービスが定期的に課金するモデルの場合は規模にもよりますが、WebPayやYahoo ウォレット FastPay辺りがかなり有力な候補になってきます。
2.JCBでの決済を受け付けるか?
POSサービスのCoineyが2014年に出した調査によると、クレジットカードを保有してる人の内、JCBを持っている人が47.6%、VISAを持っている人が75%、Masterが30.5%だそう(複数回答)。
データ自体はN=328なのでそれほど精度は悪くないと思います。となると問題はこのJCB47.6%をどう考えるか。この数字だけ見るとJCBしかクレジットカードを持っていない人もクレジットカード所有者全体の5%ぐらいは居ても全くおかしくない訳で、ここを取りに行くべきかどうかが分かれ目かと思います。
SPIKEの場合はJCB対応に月5000円の追加料金+JCBからの決済は月の無料枠に含まれませんので、決済金額の合計が少ない場合にはJCBに追加料金無しで対応しているWebPayもしくはYahoo ウォレット FastPayがいいのではないかと感じます。
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以上いかがだったでしょうか。国内のオンライン決済サービスに目を向けると、やはりSPIKEの料金プラン設定の巧みさが光ります。他の競合企業は月額課金かJCBに対応するしか今のところ対抗策がないように見えますが、この辺りは今後新しく始まるStripeやPay.jp辺りどのような戦略を打ち出してくるのか非常に楽しみであります。