日銀Jリート購入余地、基準変更ないと来年にかけて枯渇危機
2015/06/01 06:00 JST
(ブルームバーグ):日本銀行の不動産投資信託(J-REIT)買い入れをめぐり、今後政策の変更がないと厳格な投資基準に見合ったJ-REITが来年にかけて枯渇する可能性があり、購入の手法が変わるかもしれないとの見方が浮上している。
東証REIT指数 は日銀がJ-REITの購入を開始した2010年以降で、2倍以上上昇した。森トラスト総合リート投資法人の堀野郷氏は、日本の不動産業界にとって日銀のJ-REIT購入は「コペルニクス的革命」と呼んでいる。20年以上にわたって日本の不動産価格を見てきた堀野氏は、悲観論の払しょくに大きな効果があったと評価している。
日銀は昨年10月末、J-REITの年間購入ペースを900億円に引き上げた。主な購入基準は格付けAA以上、個別信託の5%を超えないこと。5%を超えると報告義務が生じる。この投資の足かせのため、購入できるJ-REITがかなり制約される。
関係者によると、日銀としては低格付けのJ-REITを含めた購入か、J-REIT市場の拡大とともに購入を継続するなどの選択肢がある。現段階で日銀金融政策決定会合の議題になる様子はないが、いずれ決断を迫られるという。
みずほ証券の石沢卓志上級研究員は、市場が神経質になる前に日銀が行動する必要性と可能性を考えると、早ければ今年下半期にも何らかの措置が取られるとみている。
日銀はJ-REIT投資の詳細を公表していない。4月の金融システムリポートでは不動産市場にやや過熱感があると指摘する一方、黒田東彦総裁は5月22日の記者会見で「現時点で資産市場や金融機関行動に行き過ぎ、あるいは過度の期待の強気化を示す動きは観察されていない」と述べた。
大都市圏J-REITの多くを構成しているのは、東京、大阪、名古屋などの大都市圏の不動産。東証REIT指数 は14年まで3年連続で上昇。国土交通省の全国公示地価(全用途平均)によると、今年1月1日まで7年連続で下落。アベノミクスの恩恵が地方まで行き渡っていない状況だ。
J-REITは商業用ビル、集合住宅、物流拠点、ショッピングモール、老人ホームなどに投資している。日本の上場J-REIT投信の中で時価総額が8200億円と最大の日本ビルファンド投資法人 は商業用ビル73件に投資している。日本プロロジスリート投資法人 は倉庫や産業用不動産を専門とし、アドバンス・レジデンス投資法人 は集合住宅に特化している。
記事についての記者への問い合わせ先:東京 藤岡徹 tfujioka1@bloomberg.net
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更新日時: 2015/06/01 06:00 JST