いつの日か、人類が溺れ苦しんでいるドブの沼から這い出せるんじゃないかって、淡い希望を抱えているんだ。
金持ちになって、女の子にモテて、自由な時間も手に入れられる、そんな未来が来るはずだ
誰が見ても別格だと仰天するような人生を必ず送れると、信じて疑っていないからこそ、自害する事なしに生きられている。
僕は一般の人々よりも、心が弱く、度胸もなく、知識も浅い。
であるから、浅はかな幻想の世界に身を浸していなければ、現実の熱に溶かされて消えてなくなってしまうと思うんだ。
社会性もなければ、自己抑制力もない。
世間が道を示してくれたとしても、一切の応答を示さず、一人寂しく部屋で閉じこもるような頑固さを持ち合わせた、社会のゴミなんだ。
現社会システムに全く適応出来ず、そうでありながら、背を向けて地下社会で生きるような心意気なんて欠片も持ち合わせちゃいない。
表裏どちらのステージ上にも立てず、その中間で有害な粉じんのように汚らわしく浮遊するだけ。
きっとこれから先の人生も、地に足なんてつけられずに、空中で生活して行くのだろう。
どれだけ慟哭しても、それは自然の流れによって掻き消される。天にも地上にも届かず、悲劇的な中間地帯を彷徨った後に灰になるのだ。
腐った精神性を持った僕のような人間なんて、都合良く生み出した想像世界の中で、作り笑いを浮かべる事でしか幸せを感じられない。
努力もせず、行動もせず、貯金もせず、ただ体内の奥底で作り上げた非現実の快楽に溺れて生きてきた僕には、自分はいつか特別な存在になるからね、と思い込む事しか出来ないのだ。
自宅から出ようとして階段を踏み外し、地面に叩きつけられている時でさえ、
「僕はいつか、噎せ返るような歓喜に包まれて、制限を知らない優越感に満たされる人生をスタートさせるんだ。だから、手首を捻って、膝が血だらけになったって、こんなのちょっとした神様への捧げ物だよ」
吹き出る鮮血に微笑みかけながら、自分が今も未来も特別な存在であると、暗示をかけ続けてしまう。
自分が特別だと思っている限りは、どれだけの不幸に押し掛けられようと、その全ては儀式的な意味を持っているのだなと思えるんだ。
それが拠り所となり、僕の唯一のカウンセラーとなり、心が割れてしまわずに済んでいる。
虚栄心の強いたわけ、と書かれたことがある
そう断言されようと、僕は一言の反論もするつもりはない。
なぜなら、全く以てその通りであり、のみならず僕は虚栄心そのものだとも言えるからだ。
特別だと思い込んでいなければ、数秒でこの世から去ってしまう可能性があるし、生き延びる為に、僕は特別であると幻想を抱き続けなければならないのである。
つまり、特別であると錯覚するか、特別な人間になる、この二つの選択肢しか、僕を生き続けさせるための方法はないのだ。
正確な判断力を捨て、常に自己本位な妄想を大切にし生きねばならない。
それしか、僕の命を保つ道がないんだ。
夢現に世界を垣間見て、ナルシシストに作り上げた蠱惑的な理想像に笑いかけていないと死んでしまう。
毎朝起きて、寝癖で髪がごたついていても、
「僕は特別だ……、誰よりも特別である。天の者により地球改革が行われ、這いずるような地獄の苦しみを味わう時間がこれから始まるのだとしても、僕は特別な存在に変わりはない。寿命が尽きて安眠するその時まで、僕は特別であり続けるのだ」
スタンドミラーに映る自分を舐め回すように、吸い込むように、引きずり出すように自分を愛する言葉を発する。
腐るほど沸いて出る勘違い人間たち
はてなブログや、ツイッターの世界には、目を覆いたくなるような醜悪な勘違い人間が溢れる程存在する。
昨日も見掛けたし、今日も見つけたし、もはや交通量調査でも行っているような気分になるほどに、皆様絶賛勘違い中だ。
社会的に死ぬ事も恐れない、究極の決死隊とでも表現出来るべき、自己愛で濡れ濡れになった人々。
嗚呼、憐れだ。
自らが吐いた下劣な言葉によって、更なる倒錯が引き起こされ、勘違いは手遅れなまでに進行して行く。
まるで、一人カルト教団。
あるいは、一人ロミオとジュリエット。
己に首ったけ。
大好きな自分が、愛する自分が、今すぐに抱きたい自分が……。
自己評価の大甘な連中は、「俺をもっと見てくれよ。こんなに凄いんだよ」って外に向けた強大なメッセージを放り続ける。
これだけ有能な自分をもっと愛する為に、他者にもその通りだ、と言わせようと躍起になるのだ。
己に恋して、己を追いかけ続ける、己へのストーキングのような人生が始まる。
片想いをしてしまえば、無限に美化し続けるように、脳の中で己の理想が過剰に肥大化して行く。
そうなってしまえば、永久に、妄想の中の己を追い続けるしかなくなる。
特別であるはずの僕が、凡百凡庸の生き方をしているのが辛いんだ
僕は誰も友達がいなかった昔、誰も居ない北海道の空き地で、たった一人で鬼ごっこをやった。
「ずるいよ、もうちょい手加減してはしって、すぐ捕まっちゃつまんない」
冷笑を浮かべているように見えた夕日に語り掛けながら、いつまでも走り続けた。
大人になった今なら虚しく情けない時間にしか思えないが、どうしてかあの頃の僕は、いろんな友達に囲まれているように嬉しい気分に浸っていた。
僕の後ろで伸びた影が、「ほらー、つかまえちゃうよー」とけらけら笑いながら追いかけてきているような気さえしたんだ。
もう笑いが止まらなかったね。
楽しくて楽しくて、涙が出てくる程だった。
その内、背中に温かみのない手の平がぺっとりと張りついた気がして、
「んんぁあー、タッチされちゃったかぁ。すごいなー、みんな……、うん、す……ごい」
息を切らしながら感想を口にして、ぶわっと振り返った。
素早く急に後ろを向けば、もしかしたら仲良くなれる友達がいるんじゃないかと思ったからだ。
でも、期待は裏切られた。
そこには、もはや影すらなかった。
僕の心の汚さのように、景色が真っ暗になっていた。
太陽は沈み、風は止み、遠くの方で聞こえた子供たちの叫び声も消えた。
もう一つの地球が現れて、そこに僕一人だけ放られたように静かだった。
大量の薬を飲んで、停止してしまった体のように、僕はその場に立ち尽くした。
全身に力が入らなくなって、だらんっと脱力し、そのまま崩れ落ちてしまった。
もう全てが嫌で嫌で堪らなくなったのだけれど、けれども涙の一つも落ちてくれなくて、どうしてか、無表情な自分の顔を暗闇の真ん中に置いて、その周囲をぐるぐると回っているような気分になった。
前後左右、どこから見ても自分が見苦しく存在するに値しない、そうした自己卑下をした。
何千時間と過ごしているような、永遠の闇の強さを感じていた。
終わらない痛みのない苦痛に耐え忍んでいると突然、急に何もかもがリセットされたかのように、体がふっと軽くなった。
気づけば、僕は椅子に座らされていて、その周りを僕の好きだった子がスキップしていた。
それも分身したかのように、何十人もいる。
よく見ると、どの子もウットリした顔で、僕を見ていた。
「あたしの彼を取らないで」「あなたこそ抜け駆けは許さないわよ」「ケンカはおやめなさい。あたしの彼よ」
同じ顔をした好きな子たちが、僕を奪い合おうとしていた。
これだよ。これこそが僕の人生なんだ――
そう思った矢先、背中に痛みが走り、不快な塩の味がした。
そして、僕は泣きながら夢を見ていたのだ、と気づいた。
誰もいない空き地の真ん中で、好きな子どころか野良犬すら隣にいない、一人の寂しい時間に戻ったのだ。
「こっちは偽物の世界に過ぎないんだ。はやく本物の世界に行かなきゃ」
僕は、さっきの僕に会いに行かなきゃと思った。そして……、
たくさんの好きな子に囲まれたい。
いや、たくさんの好きな子に囲まれた僕にまた会いたい。
そう思って、僕は背中の痛みなんて忘れて、また大の字に倒れて眠った。
特別であらねば、僕の景色は崩れさって、命も崩壊してしまう
僕は、あの日以来、幻想の中の自分、つまり特別な自分を追い求めて生き続けている。
そうでなければ、またあの闇だけが僕を包み込む空き地に放り出されてしまうからだ。
であるから、どんな勘違い者よりも、先を走りながら酸欠でいつ倒れてもおかしくない勢いで勘違いしなくてはならない。
他人の勘違いよりも、もっと勘違いしなくちゃいけないんだ。
僕は学歴もなければ、学力もなければ、学習意欲すらない。
貯金は8万円、発表に値するような長所もなければ短所もない。
唯一誇れるのは父親が経営者な事ぐらいだ。
けれど、それは所詮親の栄光である。
僕の能力でもなければ、成果でもない。
出来損ない、欠陥品、クズの成れの果て。
本気でそう思う。
だが同時に、僕は他人より優れた人生を送る事になると、今この瞬間にも思っているのだ。
願ってやまないのではなく、確然たる事実だと信じて疑わないのである。
こんな僕に文句があるなら、もっと悪意を込めて立ち直れなくなるぐらいの強烈な罵倒をしてくれよ
切り刻んで、枯れてひび割れた落ち葉のような皮膚を、手裏剣のように空へ飛ばしてくれよ。
地球の外側に微塵切りにした内蔵をぶちまけ、降り注いだ隕石群に衝突される劇的な瞬間を責任持って見届けてくれよ。
ついさっきも、はてなにいる勘違い者の記事を見ていて思ったよ。
「また知的ぶった物言いで、重大な勘違い症状を全面に打ち出した文章を書いてやがるな。ところが、所詮は強がりでしかないんだ。お前は特別なんかじゃないよ」
自分を特別だと思って疑わない勘違いブロガーに、テレパシーを送るように言ってやった。
特別な人間なんて一握りだって、事実を忘れるな、と。
特別な人間なんて、このブログ界では僕ぐらいなものだからね。
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学校の男女比率が1対9であれば、くたばったような人生を過ごさすに済んだのにな。世の中、妨害者(男)があまりにも多過ぎる。余ってしまった者は、目を瞑り現実から逃げ、それだけに留まらず、より強烈な逃避先として妄想や二次元の世界へ到達してしまう。全ては男が多過ぎるせいだ。
— ピピピピピ@親の遺産で暮らそうと思う。 (@pipipipipiwarau) 2015, 5月 28
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