「北朝鮮はわれわれに『圧力強化』以外の選択肢を与えなかった」
米国の6カ国協議首席代表を務めるソン・キム国務省対北朝鮮政策特別代表は27日、ソウルで韓国外交部(省に相当)の黄浚局(ファン・ジュングク)韓半島(朝鮮半島)平和交渉本部長、日本外務省の伊原純一アジア大洋州局長と会談を行った直後、記者団に上記のように述べた。
最近になって相次ぐ北朝鮮の過激な言動や、潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)の試験発射などを踏まえ、3カ国は対北朝鮮情勢で緊張が高まっているとの見方と、今後も圧力を一層強化する方針で一致した。黄本部長も「北朝鮮に対して実効性のある圧力をさらに強化していかねばならない」「(圧力を加えるための)具体的な手段について協議を行っている」などとコメントした。
3カ国の6カ国協議首席代表はこの日、今年1月末以来、約4カ月ぶりに会談し、北朝鮮の核問題や北朝鮮問題全般における協力策について意見を交換。「対話のドアは引き続き開かねばならないが、一方で北朝鮮による追加の挑発行為抑制を最優先の課題としなければならない」との点で一致した。外交筋が伝えた。
とりわけ現在のような状況では北朝鮮に最も大きな影響力を持つ中国が、これまで以上に積極的な役割を果たすべきとの点でも意見を集約したという。
黄本部長とソン・キム特別代表は今回の3カ国による協議結果に基づき、28-29日に北京を同時に訪問し、中国の6カ国協議首席代表を務める武大偉朝鮮半島問題特別代表と相次いで2国間協議を行う。韓米両国の首席代表が同時に中国を訪問するのは異例だ。ソン・キム特別代表は「北朝鮮を非核化に向かわせ、われわれと協力させるに当たって、6カ国協議議長国としての中国には特別な責任がある」と述べた。
この日、3カ国の首席代表は北朝鮮がSLBMの試験発射を行ったことについて、国連安全保障理事会の対北朝鮮制裁委員会に懸念を伝える書簡を提出したことも明らかにした。