屋久島通信員・武田剛
2015年5月28日03時00分
屋久島国立公園にある口永良部島で、地元住民らが動植物の調査を続けている。これまで研究者による継続的な調査の記録がなく、天然記念物のエラブオオコウモリなどの最新の生息状況が分かっていないためだ。昨年から支援に乗り出した環境省は、「地元の人たちの調査を今後の保護管理に役立てたい」と期待している。
口永良部島は、屋久島の西約12キロに浮かぶ、ひょうたん型をした周囲約50キロの火山島だ。昨夏、34年ぶりに噴火した新岳(標高626メートル)をはじめ特異な火山景観がみられる一方、広大なスダジイなどの照葉樹林も広がり、多様な自然環境を誇る。
調査しているのは、島の自然保護団体「子々孫々の口永良部島を夢見るえらぶ年寄り組」。メンバーら約20人が2012年から取り組む。過去に島内で調査した研究者らの協力を得ながら、絶滅危惧種のエラブオオコウモリやタカツルランなどを調べ、今年、初の報告書をまとめた。
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