危機の歴史、忘れていないか-資本移動の規制緩和控えた中国
2015/05/29 15:41 JST
(ブルームバーグ):30年余り前に鄧小平氏の主導で導入された改革開放路線を引き継ぐ今の中国指導部は、最も厄介な改革に取り組みつつある。
次の改革は金利自由化と人民元相場の変動幅拡大、それに越境資金移動の規制緩和が焦点だ。マネーが最も生産的な分野に向うより効率的な経済として浮上しつつある中国だが、中南米や欧州で起きた危機のようにそうした改革が混乱を引き起こす可能性もある。
ボストン大学のケビン・ギャラガー准教授(国際関係)は「改革を適切に順序付ける前に中国が資本勘定を自由化すれば、金融の安定と長期的な成長見通しにとって悲惨な結果を招く恐れがあることを歴史が示している。中国指導部が歴史を顧みていないことを心配している」と述べる。同教授は中国の越境資本規制緩和についての共同論文を執筆している。
ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド・グループ(RBS)の中国担当チーフエコノミスト、ルイス・クイジス氏は、中国がまず国内の金融セクターを自由化し、それから与信を誘導する主要な手段としての金利の活用に進み、そしてその後に越境資本の移動を自由化するという順番が最良だろうと指摘している。同氏は世界銀行のシニアエコノミストとして北京で勤務していた。
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原題:China Reforms Head Down Path Littered With Crisis Casualties (1)(抜粋)
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更新日時: 2015/05/29 15:41 JST