2015-05-27
一泊2000円以下で泊まれる沖縄のゲストハウス。相部屋ってほんと?住みついてる人がいるってマジ?などを調べるべくイヤイヤ一泊しました。
沖縄・那覇にある国際通りにおります。udemerryです。
突然ですがみなさん、「ゲストハウス」という場所はご存知でしょうか。
日本各地の観光地、特に沖縄に多くある1泊うん百円〜3千円程度で宿泊できる旅人のための安宿のことです。
リビングなどが共用で、他の旅行者と交流できるアットホームな雰囲気の宿が多いと言われています。
そして、今回私は那覇にあるゲストハウス「月光荘」に泊まることになりました!
ゲストハウスに泊まるのは初めてです。ワクワクが止まりません!o(≧▽≦)o
ごめんなさい、嘘です、めちゃくちゃ憂鬱です。
なぜなら、ここ那覇は私のド地元であり、これから泊まるゲストハウスは実家から徒歩5分の宿なのです。実家帰省の最中ですから、父には「なんでわざわざそんなとこに泊まるの?」と5回くらい問われました。
そして憂鬱の最大要因は、ゲストハウス=宿泊客が毎夜「ハイサイー!」「海ぶどうー!」などと言いながら働かずにずっと島唄歌ってるイメージで子供の頃から「できるだけ関わりたくない」と思っていたからです。
国際通りと交差する「沖映通り」
その通りの路地を一本入った奥に
今回泊まるゲストハウス「月光荘」があります。
もちろん近所なので子供の頃から存在は知っていましたが、見た目が怖かったのと、とりあえず変な人しかいないんでしょ?という漠然とした偏見により敬遠し続けてきた場所です。
受付に行き、チェックインとして一泊分のお金を払います。
私が予約したのは男女別の相部屋で、一泊1800円です。
とても優しいスタッフに宿内の説明を受けながら、部屋に案内されます。
怖いぐらい壁がカラフルです。
そぉっと入室。あれ……確かに古いけど……
す……ステキなタイプの古さだ……。
「THE 古民家宿」の体裁に、若干ワクワクしてしまったことは認めます。荷物を置き、宿の他の部分も探検してみることに。
一階共有スペース。渋い木目の内装がやさしい。
夜はここで毎晩宴会だそうです。
一階男性ドミトリー部屋。
あまりの良い雰囲気に「ここ映画の舞台か何かだっけ?」と一瞬混乱する。
すぐ隣にあるカフェ「つきのわ」。朝はここで美味しい朝ごはんを食べられるそうです。
おかしいな、凄くいい宿だ。
そして夜、実家からゲストハウスに戻ると
カンパーイ!!
宴会が始まっていました。 スタッフの方々が間髪いれずに「今日から泊まってるudemerryさんですー!」とみなさんに紹介してくれ、輪に参加します。
圧倒的な男性率のテーブル
ばっちばちに人見知りをかましていると
「お姉さんはうちなーんちゅ?! 俺はやまとんちゅだよ!」
と話しかけてくれたお兄さんが……あ……
思い描いていたゲストハウスの民だ!
このめんどくさそうなお兄さんは松田さんという方で、神奈川からいらしたそうです。
「もうどのくらい泊まってるんですか?」
「1ヶ月半ぐらいになりますね、もう。仕事辞めてきちゃって(笑)」
「えっニートじゃないですか」
「沖縄で仕事探そう探そうと思ってるんだけどね、うん、毎日楽しくて……」
「クズの方…? どうしてゲストハウスに長居してるんですか? そしてなぜ沖縄?」
「……じゃあちゃんと話すけど……25年来の親友がいたんだけど、27の時そいつが白血病になっちゃって俺一年間ずっと看病してたんだよ。ガキの頃から連れ添ってた友達の病気が発覚してから死ぬまでを俺見たのよ」
「えっ看取ったんですか?」
「うん。見舞いにもめちゃくちゃ行ったし、臍帯血移植もしたし全部見た! そいつとの思い出云々より、生きたいのに生きられない人って本当に悲惨で。断末魔の苦しみも見たし、爪の間に血がついて、かきむしって死んでる姿も見たし、奥さんと子供もいたんだけど」
「それは……」
「俺ずっと地元にいて、トラックの運転手してたんだよ。地元を出るって発想とかなくて。でも生きたいのに生きられない人がいて、無惨に死んでいくのみて『変わらなきゃ』『やりたいことやらなきゃ』ってすげぇ思ったんですよ。で、初めて飛行機のって沖縄にきて、何回かここに来るうちにいろんな人に出会って、話聞いてたら行動力ついてきて」
「地元を出る発想すら無かった人が、とうとう仕事辞めてきちゃったと!」
「もうあれ以来目標『笑って死にたい』だからさ(笑)クサいけどさ」
「そんな実感のこもった『笑って死にたい』ってないですね。私の親友がそうなってしまったらと思うと……すごい経験ですね。クズ扱いしてごめんなさい」
「でも今はもしかすると働く気がないかもしれない」
「やっぱクズだ」
私たちが話している間にハットのおじさんに集まるみなさん
「何を見せてるんですか?」
「あ、ぼくブラジルで働いててね、今写メでブラジル女性の魅力を説明してるとこ。記者やってていろんな国にいくんだよね?」
「ブラジル語喋ってくださいよ?!」
「※△%□…(ペラペラ)」
「客の幅がすごい」
突然バースデーソングをみんなで歌ったあとで男性二人が抱き合い、出て行く
「何でしょうあれは」
「あ、あの二人はゲイのカップルでね。一人はスタッフなんだけど、片方が今日誕生日で、今からデートなんだってー」
「この宿、普通の話する人いないの?」
他の人も一癖ある人生を送ってきた人ばかり。宿の店長さんにも話を聞きました。
右が店長のともれっどさん。左は常連のげんさん。
「月光荘はじめて何年になるんですか?」
「15年ぐらいになりますね。99年ごろからなので。当時はゲストハウスもなくて、リゾート系ホテルか民宿しかなかったです。ゲストハウスの中では老舗ですね」
「すごく長いんですね! こういう沖縄の古民家もみかけなくなりました」
「残されてる貴重な場所だとおもっていますよ、路地裏どんどん変わっていきますから!あんまり注目されて目立った時にうまく利用されたくもないし、変わらずにしれっと、ぼちぼちがんばりますよ笑」
「ちなみに一番長くいた人って何年ですか?」
「7年です。事情は詳しく聞かなかったけど(笑)今はゴールデンウィーク中だから、普通の滞在客が多いけど、冬きたらもっと面白い変わった人に会えますよ」
「こ……これ以上ですか……?」
夜が深くなると、防音設備のある隣のつきのわに皆で移動して飲みます。
夜も雰囲気がある店内。
月光荘には地元の人もたくさん飲みに訪れていました。
どんちゃん騒ぎのみなさん
突然歌い出す人もいます。
普通に仲良くなる
この方は元広告代理店勤務で、沖縄に移住してきた福崎さん。月光荘の(飲み会)常連です。 お仕事大好きだったそうですが、働きすぎて死ぬギリギリで倒れてしまい、ゆっくり好きなことをしようと思ったそうです。
「月光荘って恋愛事情どうなんですか?」
「たまーに意気投合して出て行く男女を見るぐらいかなあ……」
「健全! こういうとこって男女が入り乱れてるもんだと思ってました」
「ないない(笑)あれだけ相部屋だしね」
「確かに無理だ」
「いろんな人生があるなあ」と思いながら寝ました。
ゲストハウスや「旅人」という人々に偏見を持っていた私ですが、一泊してみるとすごく楽しかったです。
確かに話し始めは「あ!苦手!!」などと思ったりしましたが、よくよく話を聞くといろんなバックボーンの人がおり、皆さんピュアでとても勉強になりました。もちろん、一般のサラリーマンやOLもたくさん宿泊していました。移住者や現地民も合わせた憩いの場となっています。
ここまで知らない人と話す機会もそういえば無かったなあ。
朝起きてつきのわでバナナジュースを飲む(おいしい)
ホテルにはない、濃密で一風変わった面白さが月光荘には詰まっています。ぜひ沖縄に旅行する際は泊まってみてはいかがでしょうか。というか沖縄県民の方々!ゲストハウス怖くなかったよー!
「お! ちゃんと眠れた? 実家近いのにわざわざ大変ね?」
「……」
「あれ、まさか……」
「すいません睡眠は実家でとりました」
「5分だもんね」
月光荘のみなさん、ありがとうございました!
■月光荘ホームページ:http://gekkousou.net/
港区で働く24歳OLです。営業日のお昼休みに毎日更新する「今日の休憩」というブログを運営しています。
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