非行からの更生を目的とした施設が大阪府にある。警察官や府職員が少年たちと日々向き合い、心に手を差しのべる。15歳の少年は、そこで自分の居場所を見つけた。

■更正支援、1時間以上叱る

 2013年の夏、大阪府八尾市。狭い一室で、ワイシャツ姿の警察官と中学2年の少年が机を挟んで向き合っていた。少年の挑発的な目つきに、警察官は容赦なく言葉を浴びせた。

 「何でここに来たのかわかっとんのか!」

 自宅や祖父母宅から金を盗んだ少年は、1時間以上叱られ続け、最後は声を上げて泣いた。非行からの立ち直りを支援する大阪府の「八尾少年サポートセンター」でのやり取りだ。悩み抜いた母親が、この日初めて少年を連れて訪れた。

 大阪府内で昨年、刑法犯として検挙・補導された少年は全国最多の5939人。このうち14歳未満の「触法少年」は1553人で、1982年から33年連続でワースト1だ。

 少年は中学1年の時に部活も塾もやめ、成績が落ちた。盗んだ金でゲームセンターなどで夜遊びを繰り返し、心配する母親に「うるさい」と手を上げた。

 センターに通うのは月4回。警察官の面接指導のあと、月2回は学生ボランティアや府職員による学習指導を受け、残り2回は精神修養のために警察署で開かれる空手塾に通う。

 当初は目線を合わせようとしなかった少年は、好きな車の話題になると冗舌になった。1980年代のトヨタの人気車「86レビン」には熱弁を振るった。その話をきっかけに、警察官は信頼関係を築いていった。