(2015年5月25日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)
ギリシャの首都アテネの議会に掲げられたギリシャ国旗〔AFPBB News〕
今やすべてはギリシャの首相、アレクシス・チプラス氏次第となった。首相は近々、ギリシャ政府が債務の元利返済を行えるようにするための債権者側との取引を望むか否かを判断する。
もし首相が「取引は不要だ」と言えば、ギリシャはデフォルト(債務不履行)することになる。
その時点でギリシャがユーロ圏から離脱せざるを得なくなる可能性もある。
では、チプラス首相は何をすべきなのか。どんな政治的制約があるかは首相自身がいずれ知ることになるだろうから、筆者は経済に的を絞って論じてみたい。
端的に言えば、理にかなった取引であるなら首相は受け入れるべきだろう。では、理にかなった取引とそうでない取引の境界は一体どこにあるのだろうか。
債権者との取引の経済合理性
ざっくり言ってしまえばそれは、何が何でも不確実性に終止符を打つことにある。Grexit(グレグジット)、すなわちギリシャのユーロ圏離脱の脅威がある限り、ギリシャに新たに資金を投じようとする投資家は出てこない。取引での合意が成功するためには、その合意によってグレグジットの可能性がゼロに引き下げられる必要があるだろう。
同じことは、チプラス氏が「取引は不要」と判断した場合に必要になる政策にも当てはまる。そう判断したその日から、首相には優れた経済計画が必要になるからだ。