【北京聯合ニュース】3月に平壌に赴任した中国の李進軍駐北朝鮮大使がいまだに金正恩(キム・ジョンウン)第1書記と面会できておらず、その背景に注目が集まっている。
北朝鮮の中国大使館によると、李大使は赴任直後の3月30日に金永南(キム・ヨンナム)最高人民会議(国会に相当)常任委員長に信任状を提出して以降、北朝鮮の主な上級幹部らと面会した。中朝関係の基本原則となる伝統継承、未来志向、善隣友好、協力強化に言及し、関係の改善に意欲を示してきた。
だが、大使館が発表した李大使の面会相手の中に、金第1書記の名前はまだない。
金第1書記が、北朝鮮にとって最も重要な国とされる中国の大使と赴任から3カ月近くもの間、面会していないことになり、長引く中朝関係の冷え込みが背景にあるとの分析も出ている。
前任の劉洪才大使は2010年3月初めに赴任し、1カ月もたたないうちに当時の金正日(キム・ジョンイル)総書記と面会し、夕食も共にした。そのため、金第1書記が李大使と会わないのは「中国に対する侮辱」(時事評論家の阮次山氏)という声も挙がっている。
ある観測筋は、ここ2~3年にわたり幹部クラスの交流が途絶えている中朝が関係を回復させるには、さまざまな契機やシグナルが必要だと前置きした上で、金第1書記がいつ李大使と会い、どんなメッセージを伝えるかが今後の中朝関係の行方を判断する手がかりになり得ると話している。