米国のジョン・ケリー国務長官が、韓国訪問中の18日、終末段階・高高度防空ミサイル(THAAD)に言及したことに伴い、来月の韓米首脳会談でこの問題が話し合われるかどうかに注目が集まっている。韓国政府は「まだそういう段階ではない」という立場を取っているが、米国側はこの問題を取り上げ続けている。
ケリー国務長官は18日、ソウル市竜山にある在韓米軍基地を訪れ米軍将兵と対面した席で、北朝鮮の脅威に触れた後「われわれはあらゆる結果に備えなければならない。それがすなわち、われわれがTHAADなどに関して述べる理由だ」と発言した。この発言をめぐり韓国外交部(省に相当)は、異例にも積極的な消火に乗り出した。18日夜、2度にわたって記者向けに文字メッセージを発信し「(THAADは)韓米外相会談で全く協議されていない。ケリー長官が言及した『we(われわれ)』とは、韓米ではなく米国内部を意味する」と説明した。
ところが19日には、カーティス・スカパロッティ在韓米軍司令官(韓米連合司令官)が、一部メディアによるインタビューの中で「韓米両国は(韓半島〈朝鮮半島〉へのTHAADの)配備問題をそれぞれ個別に検討しており、どの時点が配備に適切か考慮している」と語った。
こうした発言と関連して一部から、今月末にシンガポールで開かれる韓米国防相会談や、来月中旬に米国ワシントンで開かれる韓米首脳会談で、THAADの問題が公式もしくは非公式に話し合われる可能性も提起されている。韓国の与党セヌリ党のユ・スンミン院内代表は19日、党の院内対策会議で「昨年以来、米国務省、国防総省、在韓米軍の中心人物がTHAADなどミサイル防衛に言及し、韓国政府が『要請も協議も決定もない』という『3NO』を語るという状況は、韓米同盟の正常な姿ではないと思う。この点が韓米首脳会談の中心的議題になることを希望する」と語った。
しかし韓国政府は、この二つの会談でTHAAD問題が話し合われる可能性について「まだそういう段階ではない」という立場だ。