またケリー氏は韓日関係について「韓日両国はデリケートな歴史問題について自制心を持って対処し、今後も対話を続けて互いが受け入れ可能な解決策を見いだしてほしい」と注文した。つまり慰安婦問題をはじめとする韓日間の懸案についても、ケリー氏は米国政府によるこれまでの立場を繰り返す以上の踏み込んだ発言はしなかった。その結果、ケリー氏による今回の来韓を受け「米国政府は日本ではなく韓国の側に立ってくれるのではないか」という淡い期待が、外交的に見ていかに純朴な発想であるかをわれわれはあらためて思い知った。
対北朝鮮問題、そして日本と関連する問題は、外交面でわれわれが直面する大きな課題であることは間違いないが、それを解決すべき第一の当事者は他でもない大韓民国だ。そのためわれわれには今、韓米同盟はもちろんのこと、日本との外交においても新たな構想やビジョンを築き上げることが求められている。北朝鮮の核兵器とミサイルの問題に関しては、これを効果的かつ実質的に解決できる中長期と短期の対策が必要だが、それらを考え出すのもやはりわれわれがやるべき仕事だ。来月に予定されている朴槿恵(パク・クンヘ)大統領の訪米が、外交面における韓国のパワーを見せつける新たなきっかけになるか、今となっては見守る以外にない。