西日本新聞は5月17日付朝刊で「イルカ購入 水族館苦悩」と見出しをつけ、日本動物園水族館協会(JAZA)が、イルカ追い込み漁を非難している世界動物園水族館協会(WAZA、本部・スイス)から会員資格停止を受けたことについて詳報した。記事は共同通信が配信し、多くの地方紙に掲載された。記事には、新江ノ島水族館で飼育するバンドウイルカ10頭のうち「太地町からの入手は3頭で、7頭は繁殖」と記載していたが、同水族館では太地町(和歌山県)から入手したイルカはなく、共同通信が訂正した。西日本新聞をはじめ地方各紙の18日付朝刊に訂正記事が掲載され、ニュースサイト「47NEWS」に当初掲載されていた記事も削除された。
新江ノ島水族館によると、現在飼育しているバンドウイルカ10頭のうち7頭は繁殖で、3頭は野生。うち2頭は静岡県伊東市で、1頭は長崎県壱岐市で捕獲したものだという。日本報道検証機構が同水族館に確認取材した。
各紙報道によると、JAZAは20日、WAZAへの残留を決定し、WAZAは歓迎の声明を発表した。
イルカ購入 水族館苦悩 日本協会 国際組織除名の危機 中小、自前の繁殖難しく
日本動物園水族館協会(JAZA、東京)が国際組織から会員資格を停止された。国内の水族館が和歌山県太地町の追い込み漁で捕獲されたイルカの購入をやめなければ、最終的には除名となる。動物繁殖のための国際協力の枠組みから排除される懸念がある一方、中小の水族館にとってイルカが入手できないのは死活問題。JAZAは難しい判断を迫られている。
「追い込み漁で捕獲したイルカの購入は倫理規定に反する」。世界の300以上の団体などが加盟する世界動物園水族館協会(WAZA)は、4月21日に本部のあるスイスで開いた理事会でJAZAの会員資格停止を全員一致で議決した。
JAZAには動物園89、水族館63が加盟。イルカは繁殖が難しいため多くの水族館が太地町で捕獲した個体を購入しており、年間計約20頭が取引されるという。…(略)…
水族館側の事情はさまざまだ。大手の新江ノ島水族館(神奈川県藤沢市)では、飼育するバンドウイルカ10頭のうち太地町からの入手は3頭で、7頭は繁殖。太地町との取引は20年近くなく「長期的な影響は未知数だが、太地町から調達できなくなってもすぐに困ることはない」という。…(以下、略)
西日本新聞2015年5月17日付朝刊2面 ※共同通信の記事を掲載しているニュースサイト「47NEWS」にも「【日本動物園水族館協会の資格停止問題】イルカ購入継続か否か 国際組織から排除の危機」との見出しで掲載されていたが、削除されている。
【日本動物園水族館協会の資格停止問題】イルカ購入継続か否か 国際組織から排除の危機 : 47トピックス – 47NEWS(よんななニュース) http://t.co/1sFBAGSqxM
— 共同通信公式 (@kyodo_official) 2015, 5月 18
【訂正】
17日付「イルカ購入 水族館苦悩」の記事で、新江ノ島水族館が飼育しているバンドウイルカ10頭のうち和歌山県太地町から入手した数が「3頭」とあるのは「ゼロ」の誤りでした。同水族館と太地町との取引は30年近くありません。
西日本新聞2015年5月18日付朝刊2面
- (初稿:2015年5月21日 18:00)