分散型メディア、そこから無意識のメディアの時代


by古川健介 (起業家)


次に来るメディアの形ってなんだろう?と多くの人が考えていたりしますよね。

で、最近、よく聞くのが「分散型メディア」です。スマートニュース執行役員の藤村厚夫さんという方は、海外のメディアにも詳しくて、Facebookやブログはメディア業界の人にとっては必読なのですが、藤村さんも以下のような記事を書いています。

なるほど。

「分散型メディア」というのは、要はトップページや、自社サイトを持たなくてもいい、という形です。FacebookやTwitter経由で記事を読むことが多くなってくると、そもそもURLがあって、そこに移動しなくても、その場でコンテンツ読めたほうが早くて便利だよね、的な感じです。

この形は当然あると思っていて、普通に考えると、ビジネスモデルさえ構築できれば、一気にその方向にいくと思います。FacebookのInstant Artcilesとかが、その始まりじゃないか?という意見もあります。

この流れは、ユーザーにとっても便利だし、メディアにとっても読者が増えるのでいいと思うのですが、問題としては、「メディアとしてのブランドってどうなるの?」というのがあります。

国内のWebメディアの進化を3年はやめていると言われることもある「メディアの輪郭」の佐藤さんが言及していました。

このあたり、未だ答えがでていないところであります。

今後のWebメディアの流れ

僕は、今のWebメディアの状況と、ちょっと先の未来は以下みたいになると思っているのです。

  • コンテンツを出す場所が自社メディアじゃなくなっていく
  • そうすると、ブランドを認知してもらわないといけなくなる
  • ブランドを認知してもらえないところは、One of Themの一コンテンツとして消費されてしまう
  • そのコンテンツの消費のされ方は、コンテンツそのものがバズるかどうかが重要になるので、消耗戦になりがち
  • いわゆる「釣りコンテンツ」や「炎上マーケティング」が起こってしまう

まとめると、ブランドを作っていくか、個別のコンテンツごとの消耗戦を戦いぬくかの二択になっているのではないかと。

どちらの道も険しいのですが、ゼロ年代〜10年代初頭の「SEOで集客して着地ページで稼ぐ」が通用しなくなった今、次のステージに入ったということでしょう。

無意識コンテンツ

で、個人的に興味があるのが上記の流れの一つとして「無意識に消費するコンテンツが増えそう」というところです。

Apple Watchなどを使ってみるとわかるのですが、このくらい、通知が細切れかつコンパクトに来ると、コンテンツの消費への意識が低いのですね。

たとえば、ニュース速報のタイトルがApple Watchに来たら、ちらっと時計を見て、タイトルをみて「ああ、こんなことが起きたんだな」と頭で一瞬で認識したりしそうです。

となると、コンテンツを消費しているという意識が非常に希薄なんですね。Apple Watchを見たことすら1分後に忘れてたりします。

そうなると、メディアのブランドとかいう話よりも前に、コンテンツを消費しているという意識すらないものがでてくるのではないかと。

というか、時間とか、天気とか、温度とかの小さい情報だったらすでにそういう状況ですよね。たとえば、朝のニュース番組で、上のほうに天気が出ていたりしますが、あれは、なんとなく目にして「今日は晴れだな」と無意識レベルで消費していたりするケースが多いのではないかと。

なぜそうなるかというと、このあたりのコンテンツは表現の幅がほとんどないので、誰が、何を書いているのか、という点によるコンテンツの変化の幅がないからではないかと。天気とかだと、せいぜい天気アイコンの違いくらいでしょうし、ニュースだと、タイトル12文字の中しか幅がない、という感じですね。

なので、なかなか「メディアのブランド」が浸透することは難しい。表現の幅が小さいものに関してはコンテンツだけでは勝負できなくなるのではないかなと。

たとえば、天気サービスだったら、どのタイミングで天気を伝えるか?という点のほうが重要になる。

もはや「どのデバイスで、いつ見たかも忘れる、誰が作ったかも意識しない」みたいなコンテンツが増えてくると、よりメディアにとっては、戦い方が今までとは異次元になっていくるんだろうなあ、と思っています。