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 「負けは負け」。一世一代の大勝負の敗北をきっぱり認めた橋下徹・大阪市長。政界からは引退をすると表明したが、その後も人生は続く。負けたときは、どうしたらいいのか。

 17日午後11時過ぎ、大阪・中之島のホテル。5年間ずっと主張し続け、政治生命をかけた「大阪都構想」を住民投票で否決された直後だった。約200人の報道陣の前に姿を現した橋下市長は、つきものが落ちたように晴れ晴れしていた。

 敵をつくる手法で政治や市民を分断し、「リーダー」「独裁者」と評価も割れたが、会見では「ノーサイド」。

 日曜の深夜にもかかわらず、ツイッター上では次々と投稿が寄せられた。「無責任だ」「傲慢(ごうまん)」との批判の一方、「敗軍の将として見事」などと称賛する意見が目立った。

 穏やかな表情。「残念」という言葉を使わないスピーチ。有権者を責めず、逆に感謝する姿勢。テレビ評論家の丸山タケシさんは「この場面で自分の努力をひけらかしたり泣いたりすると世間に嫌われる。それが分かっていたのでしょう」と指摘する。

 上智大の碓井広義教授(メディア論)も「自身の会見映像がネットで拡散されることも計算した上で、今後の展開に有利なようにアピールしたのではないか」と分析する。

 厳しい勝負を目の当たりにしてきたスポーツジャーナリストの二宮清純さんは、住民投票の結末や会見をみて「存在感を残した負け方。敗れてなお強し」との印象を抱いた。

 「今回は下馬評が低い方が追い上げを見せ、最後までどちらが勝つか分からない展開だった。競馬でいえば『ハナ差』での負け。こういう負け方の馬には、次に賭けたくなる」という。

 負けた時の振る舞いが、その後の人生に影響することもあるという。