日本マイクロソフトは19日、タブレット(多機能携帯端末)の新製品「サーフェス3」を6月19日から国内で販売すると発表した。高速通信サービス「LTE」に対応する機種を、マイクロソフトとしては世界で初めて投入する。「我々は挑戦者」と語る樋口泰行社長が明かした巻き返し戦略はソフトバンクモバイルとの提携。通信キャリアの力を借りたパソコン時代の巨人の勝算は。
「やっと呼んでいただいた」。ソフトバンクモバイルが19日午前に開いた発表会。日本マイクロソフトの樋口社長はソフトバンクモバイルの宮内謙社長に握手を求めた。
マイクロソフトは個人向けにLTE対応機種のみ、法人向けにLTE機種と無線LANモデルを用意した。ソフトバンクモバイルは法人向けをソフトバンク、個人向けをワイモバイルの回線とそれぞれセット販売する。
サーフェスなどOS(基本ソフト)にマイクロソフトの「ウィンドウズ」を使うタブレットの国内シェア(14年度上半期)は8.7%にとどまる。14年度通期は10%に達したもようだが、グーグルの「アンドロイド」やアップルの「iOS」との差は歴然。販路拡大の切り札として、ソフトバンクとの提携を選んだ。
樋口社長は「最も思いが強い通信会社と組もうと考えた。シェアを少なくとも2倍以上にしたい」と意気込む。ワイモバイルもサーフェス3専用としてスマートフォン向けの一般的な料金よりも2000円以上割安となる月額3696円のプランを提供する。
ただ、個人ユーザーの評判は必ずしも芳しくない。発表直後からインターネット上には失望のつぶやきが広がった。
不評の多くは価格設定にある。個人向けモデルの価格は8万1800円(税別)から。同じ記憶容量を持つアップルの「iPad」より3000円高い。ワイモバイルの料金プランは割安というが、24回払いの割賦で購入した場合には毎月7000円強の出費となる。安価な無線LANモデルを個人向けに用意しなかったのも批判された。
回線や販売店が携帯3強のソフトバンクではなく、シェア6%程度のワイモバイルであるのも個人ユーザーの不評に輪をかけた。「田舎在住の私はどうすれば」。こんなつぶやきも聞かれた。
マイクロソフト自身も主戦場は法人向けと考えているフシがある。「当初は個人向けが中心になるが、中・長期的には法人向けが追いつくだろう」(樋口社長)。19日の発表会では三井住友銀行がサーフェス3を1000台採用することをアピールした。だが、先月末にアップルと提携した日本郵政が購入するiPadは将来的に数百万台といわれるのと比べると、見劣り感はいなめない。
ソフトバンクはこれまで、米アップルやグーグルのOSを搭載したタブレットを販売してきた。今回の提携について、ソフトバンクモバイルの宮内社長は「ユーザーに喜ばれるよう、幅広い商品をそろえた」と微妙な温度差を漂わせた。(竹居智久、小泉裕之)
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