[Alex Tabarrok, “Nerd Altruism is Becoming Cool!” Marginal Revolution, May 12, 2015]
経済学者たちがはじめた GiveDirectly〔「直渡し」〕は,発展途上国の貧しい人たちに直接お金をわたす非営利団体だ.ここ数年でものすごい成長を見せ,債権投資家の億万長者にしていまは慈善運動家でもあるビル・グロスは,このモデルに関心を寄せていると公言した:
もっと最近では,グロスは GiveDirectly に興味をもつようになったと発言した.GiveDirectly はモバイル決済によってアフリカの極貧層への寄付をつのることを目標にした団体だ.
「大抵のアフリカ人は携帯電話をもっている.にわかに信じがたいがね」とインタビューでグロスは語った.「これがうまくいって,25ドルなり50ドルなりをウガンダの誰か,もちろん会ったこともない誰かに寄付できれば,マーケットを出し抜くのと同じくらい大したことだよ」
慈善活動に無作為化試験・計測・データサイエンスが応用できたら,すごいね.GiveDirectly や GiveWell,それに,「効果的利他主義センター」(Center for Effective Altruism) のようなグループは,贈与の新しい文化をつくりだしつつある.彼らは,オタク利他主義をクールにしつつある.まだまだ端緒についたばかりだけれど,億万長者がイェール大学に万百万ドルも寄贈して冷笑を浴びているのは何事かを物語っている〔リンク先の記事では,ブラックストーンCEOのシュワルツマンがイェールにパフォーミングアート・センター建設のため1億5000万ドルを寄付したのを引いて,イェールの学生はだいたい裕福で大学からの学資助成を受けているのは52%にすぎないしイェール大学そのものも超リッチなんだから費用対効果でいえばもっといい寄付先があるだろう,と書かれている〕.それと対照的に,ダスティン・モスコビッツ,イーロン・マスク,ビル・ゲイツといった慈善活動家たちは実業界で,事業投資の評価に使われているのと同じ厳密な方法を慈善の評価に使って,これをクールなものにしつつある.
GiveDirectly の創設者 Paul Niehaus のインタビュー動画はこちら.
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