日本経済新聞は5月13日付朝刊国際面で、「南シナ海 埋め立て合戦」と見出しを付けた記事を掲載し、中国、フィリピン、ベトナムなどが領有権を争う南シナ海の状況を詳報した。その中で、中国の南沙諸島での埋め立て地が2014年末に「約2万平方キロメートル」だったのが今では4倍の「約8万平方キロメートル」にまで広がったと記していたが、それぞれ「約2平方キロメートル」「約8平方キロメートル」の誤りだったとして14日付朝刊で訂正した。
8平方キロメートルは東京ドーム(建築面積約4万7千平方メートル)170個分相当。8万平方キロメートルだと同170万2127個分相当で、北海道の面積(8万3450平方キロメートル)に匹敵する。
また、13日付朝刊の記事は、埋立て面積の情報について、「米国防総省が8日発表した中国の軍事力に関する年次報告書によると」と記している。しかし、9日付読売新聞夕刊は、「国防総省当局者」が8日、「記者団に対し、埋め立て面積が、昨年12月時点で報告書に掲載された2平方キロから、4か月余りで約8平方キロと約4倍に拡大したことを明らかにした」と報じ、9日付朝日新聞夕刊も同様に「国防総省高官が…指摘した」と報じている。米国防総省の年次報告書には、埋立て面積の情報は見当たらない。したがって、「埋め立て地が約8平方キロ」の情報源は年次報告書そのものではなく、それに関連して国防総省高官が発表した情報とみられる。
日経新聞も13日付夕刊の続報では、「米国防総省当局者は8日、中国による南沙諸島での埋め立て面積が8平方キロメートルと昨年末時点の4倍に急拡大したと指摘した」と記載していたが、14日付朝刊の訂正記事では、情報源について明確に訂正していなかった。
南シナ海埋め立て合戦 中国への反発強まる ベトナム、軍事施設を新設/フィリピン、滑走路を改修へ
中国とフィリピン、ベトナムなどが領有権を争う南シナ海で、各国が埋め立てや建造物の建設を競い始めた。環礁を埋め立て、滑走路などの建設を着々と進める中国に、ベトナムなどが対抗する構図だ。南シナ海では資源探査を巡って摩擦が続いてきた。互いに実効支配の既成事実化を狙った“埋め立て合戦”の色合いが強まれば、対立が一段と深刻になる恐れがある。
…(略)…
米国防総省が8日発表した中国の軍事力に関する年次報告書によると、14年末に約2万平方キロメートルだった中国の南沙諸島での埋め立て地は、今では4倍の約8万平方キロメートルにまで広がったという。…(以下、略)日本経済新聞2015年5月13日付朝刊6面
日本経済新聞2015年5月14日付朝刊6面
- 2015年中国の軍事・安全保障に関する議会向け年次報告書 (アメリカ合衆国・国防総省 2015/5/8)
- (初稿:2015年5月15日 11:45)
- (修正:2015年5月15日 11:59)面積の説明で、北海道の面積との比較を加筆しました。