【動画】浜岡原発では安全対策工事が進むが、再稼働の見通しは立っていない=岡田和彦撮影
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 南海トラフ地震の想定震源域に立つ唯一の原発、中部電力浜岡原発(静岡県御前崎市)が当時の菅直人首相の要請で全炉の運転を停止し、14日で4年になる。地震や津波に備えた工事が続くが、住民の避難先の確保など課題は山積。再稼働は見通せない状況だ。

 避難対象は31キロ圏にかかる11市町の住民95万人で、東海第二原発(茨城県)の96万人に次ぐ。原発単独事故の場合と、地震との複合災害の場合で避難先を分けたため、受け入れ先は12都県に及んで交渉は難航。静岡県は具体的な避難先を昨年度中に決める予定だったが、めどが立たない。

 静岡県の計画では、避難先は原発単独事故なら県内と愛知など周辺5県。南海トラフ地震の場合は近隣県も被災する可能性が高く、さらに遠くの東京や北信越など7都県とした。内閣府が仲介に入り12都県は大筋で同意。受け入れ可能な施設の収容人数の合計は、それぞれのケースで約130万人を超え、95万人の避難に十分な数字になった。

 だが、具体的な調整は難航。特に全員がマイカーで避難する計画に対し、各都県は駐車場確保への懸念から「都市部では現実的でない」「途中でバスに乗り換えては」などと指摘した。避難所を運営する人材や費用負担などのあいまいさにも不安の声が上がった。

 3月上旬の協議でも、市町ごとにどの都県に避難するか詰まらなかった。静岡県は「遅くとも今年度中に終えたい」(原子力安全対策課)とするが、地震との複合災害の場合も県内避難の可能性を探るなど、調整は振り出しに戻っている。

 東京電力福島第一原発事故後、国は原発から約30キロ圏内の自治体に、住民の避難先や移動方法などを詳細に定めた避難計画の策定を要請。道府県はそれを支援する。避難計画策定は再稼働の法的要件ではないが、「安全の両輪」とされる。