『自分名義のクレジットカードが悪用されたら、誰がその損害を負担するのか?』
これ、クレジットカードをまだ持ったことがないという方だけでなく、すでにカードを保有して毎日のように買い物で使っているという方においても、よく理解されていない内容なんですよね。たとえば100万円の不正利用がされてしまったら、それを負担するのは誰なのか…みなさんは明確にわかりますか?
そこで今回はカード初心者向けに、不正利用の損害は誰が負担するのかについて徹底解説してみたいと思います。特に『カードは不正利用が怖いから持ちたくない…』と思っている方は、この記事を読んでみてくださいね。
クレジットカード紛失で人生は終わるのか?:
まずはちょっとした雑談から。
私はいつも10枚程度のクレジットカードを持ち歩いているんですが、それらのカードで買い物可能な金額の上限(利用限度額)はというとだいたい3000万円くらいはあります*1。
この状態で仮に私が財布を盗まれてしまったとしたら最大で3000万円の損失が出てしまう可能性があるんですが、これがもし全て私の責任として請求されたらどうでしょうか?
つまり、財布を落とす=最大3000万円の損失です。
酔っ払ってしまった時を含め、財布を紛失してしまう可能性は少なからずあるわけですから、常識的に考えてそんな危険なシロモノ(クレジットカード)を中にいれて持ち歩くなんてことはしませんよね。加えていうなら、自宅に置いておくことだって怖く感じてしまいます(泥棒に入られたら3000万円が盗まれてしまう)。
財布を失くすのは日常茶飯事:
このように財布をなくしたり、スリに盗まれてしまう可能性というのは決して低くはありません。それにも関わらず、クレジットカードが盗まれた時の損害が保有者にあるのでは、誰も怖くてカードなんて持ち歩けなくなってしまいます。最近だと年会費無料クレジットカードでも利用限度額100万円みたいなことがありますからね…。
では誰がその損害を負担してくれるのか?ここからが本題です。
クレジットカードには盗難保険が付いている:
少し回り道をしましたが、クレジットカードを紛失した時の損害は誰が負担するのか?その答えは、実は保険会社です。
日本で発行されているクレジットカード*2にはほぼ100%、盗難保険という名前の保険が付いています。この盗難保険があるおかげで、仮にみなさんがクレジットカードを紛失してしまったとしても、その損失をみなさんが負担することはありません。
カードには盗難保険が付帯されています。万一、カードが不正使用された場合は、紛失・盗難をお届けいただいた60日前にさかのぼり、それ以降の損害額を弊社が定めた規定にそって負担いたします。
わかりやすく表にまとめてみましたので、どんな時に盗難保険が適用されるのかを確認してみてください。基本的にはほぼほぼ全てのケースで、盗難保険があなたを損失から守ってくれるはずです。
トラブル例 | 盗難保険が適用されるかどうか |
---|---|
財布を落としたら、カードを悪用されてしまった。 | 盗難保険の適用アリ。 |
財布をスリに盗まれてしまった。 | 盗難保険の適用アリ。 |
自宅に泥棒が入り、カードが盗まれた。 | 盗難保険の適用アリ。 |
貴重品ボックスから財布が盗まれた。 | 盗難保険の適用アリ。 |
同僚や友人にカードを盗まれて悪用された。 | 盗難保険の適用アリ。 |
スキミング詐欺に合った。 | 盗難保険の適用アリ。 |
フィッシング詐欺に合った。 | 盗難保険の適用アリ。 |
利用していた通販サイトが情報漏洩した。 | 盗難保険の適用アリ。 |
海外で勝手に使われていた。 | 盗難保険の適用アリ。 |
お店の人が二重に決済していた。 | 盗難保険の適用アリ。 |
現金を持ち歩くよりも安全:
どうでしょうか?自分の責任でカードを紛失してしまった場合でも、利用したお店の責任でカード番号が漏洩してしまった場合でも、盗難保険があるおかげであなたに請求が来ないようになっています。
反面、財布を落とした時に入っていた現金などは基本、戻ってきません。そういった意味ではクレジットカードを持ち歩いたほうが、盗難保険がある分だけ安心なのですね。
- 現金:盗まれたり、落とした場合は戻ってきにくい
- カード:盗まれたり、落とした場合でも損失が出にくい
どういう場合に盗難保険が適用されないのか?
では、どういった場合に盗難保険が適用されないのでしょうか?主に3つ存在するので、それぞれを詳しく紹介させていただきます。
1.暗証番号も漏洩していた場合:
クレジットカードに設定されている、4桁の暗証番号まで漏洩していた場合には、クレジットカードの盗難保険適用の対象にならないケースがあります(暗証番号が漏洩していても、盗難保険が適用されることもある)。
- サインを真似されて不正利用された:盗難保険適用
- 暗証番号を入力されて不正利用された:盗難保険が適用されない場合も
そもそもこの4桁の番号はカード保有者のみしか知り得ない情報なので、これが漏れてカードが不正利用されてしまった時には、さすがに盗難保険も適用できませんよ…ということです。防衛策は誕生日4桁を暗証番号にするなど、悪意のある方が類推しやすい番号に設定しないようにしておけば、それだけで問題ないと思います(カード裏面にメモっておくなども言語道断)。
とにかく暗証番号は誰にも教えないことを徹底してくださいね。
2.盗難保険の申請が遅かった場合:
不正利用をされてしまった後、盗難保険の申請が遅れた場合には適用されない事例もあります。だいたい不正利用が発生してから2ヶ月以内には申請をするようにしてください(盗難保険の申請方法はカード会社に電話をして相談してください)。
ちなみにカード会社によっては、不正利用から半年や1年といった期間が経過した後でも適用してくれる場合もあるので、『もうこの不正利用は申請できないだろうな…』と諦めないようにしてくださいね。
大事なのは毎月、きちんと利用明細書をチェックして、不正利用がないかどうかを確認することですよ(発覚が早ければ申請もスムーズになる)。
3.家族による不正利用:
あなたの両親や兄弟が、あなたのクレジットカードを不正利用していた…という場合には、盗難保険の適用が難しいケースもあるようです。
これはその不正利用が、本当に不正だったのか?ということがわかりにくいため。あなたと結託して不正利用させたのではないかという可能性がある以上、保険会社としても出し渋るみたいですね。
クレジットカードは本人のみしか利用できない決済手段なので、たとえ家族であっても利用させないようにしてくださいね(初心者の方は下記記事も参照)。
以上、クレジットカードが悪用されたら、誰がその損害を負担するのかを徹底解説!クレジットカードは不正利用が怖いという方に…という話題でした。徐々にこのページには追記を加えていきますので、盗難保険についての情報をもっと知りたい方は是非、ブックマーク等をしておいてくださいね。