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 国の特別天然記念物・コウノトリのオスが徳島県鳴門市内に飛来した。兵庫県立コウノトリの郷公園(同県豊岡市)によると、豊岡市内の人工巣塔で生まれた4歳の個体とみられる。電柱上で巣作りのような行動をしていたが、巣は11日夜、台風接近に伴う強風で飛ばされてしまった。

 同公園によると、約150キロ離れた場所で巣作りのような行動が確認されたのは初めて。脚輪の種類から、2011年5月生まれのオスとみられる。

 今月7日、鳴門市内の電柱上で枝を集めている姿を農家の沖野敏夫さん(64)が見つけた。四国電力はコウノトリの感電と周辺の停電を防ぐため、11日にこの電柱を迂回(うかい)する仮設の電線を設けたが、その日のうちに巣が飛ばされた。

 沖野さんや日本野鳥の会徳島県支部によると、このオスは今年2月ごろから1羽のメスと一緒に行動する様子が市内で目撃されていたという。メスは兵庫県朝来市で生まれた1歳とみられる。