孫社長:アローラ氏が「最重要」後継候補-ソフトバンク、世界を軸に
2015/05/11 17:54 JST
(ブルームバーグ):ソフトバンクは同社米国法人最高経営責任者(CEO)のニケシュ・アローラ氏を本体の代表取締役副社長に指名した。孫正義社長は「最重要な私の後継者候補」だと明言した。
孫社長は11日の決算会見で、「これからソフトバンクは第2ステージに入る。これまではメインが日本、サブが海外だったが、これからはグローバルのソフトバンクになる」と語った。その上でアローラ氏について「私よりも優れた能力を持っており、人格的にも素晴らしい」と絶賛。最重要な後継者候補であることは「間違いのない事実」だと述べた。ただ、孫氏自身が引退するつもりはまだないと付け加えた。
アローラ氏(47)は昨年7月、最高事業責任者(COO)だった米グーグルからソフトバンクに移籍。米国子会社SBグループUSのCEOに就任した。
いちよしアセットマネジメントの秋野充成執行役員は「いま力を入れなくてはならないのはアメリカ。日本は飽和し成長がない」と指摘。北米では成長が期待できるとし、アローラ氏がそこでうまく事業を成長させることができれば、将来ソフトバンクグループを引っ張る存在になると話した。
アローラ氏は移籍後、インドで配車サービスを運営するANIテクノロジーズ(通称オラ)や中国の配車アプリ、杭州快迪科技 (クアイディ)への出資など、ソフトバンクの戦略的投資に重要な役割を果たしてきた。
11日発表された「ソフトバンク2.0へ向けた取組みについて」と題する資料で、同社は長期的視野に立って事業成長の持続性を確保できるグローバル企業へ変革する取り組みを開始したと表明。孫社長は今後2、3年の間にグローバル戦略の幹部を増やす考えを示した。
アローラ氏が代表権を持つ副社長に就任したことで、これまで代表取締役副社長だった宮内謙氏は取締役としてモバイル事業の経営に優先的に取り組むことになる。
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更新日時: 2015/05/11 17:54 JST