ジュワッと卵液がしみこみ、ふわとろになったフレンチトースト。憧れの的ですよね。最近はレストランやカフェでも、人気のメニューです。
でも何となく家で作ってみると、なんだかぱさぱさ。おいしくない!なんて経験ありませんか。簡単そうに見えて、実はコツを知らないと美味しく作れないのがフレンチトーストです。そこで本日はレストランにも負けない、ケーキみたいなふわふわフレンチトーストを、お家で作るためのコツを、科学的にご紹介したいと思います。
本格フレンチトーストのための科学
《材料 1人分》
- 食パン(4枚切り) 1枚
- 卵 2個
- 牛乳 100cc
- 砂糖 15g
- バター 10g
- バニラエッセンス 少々
- 粉砂糖 適量
- メープルシロップ 適量
科学1:食パンは厚切りを使用する。
ふわっとぷるぷるの食感にするためには、厚さ3.5〜4cm程の厚切りのパンを使うのがベストです。厚切りのパンを使うことで、必然的にパンに染み込む卵液の量が増え、ケーキのようなふわっとした食感を出してくれます。
《作り方》
1. 卵、牛乳、砂糖、バニラエッセンスを混ぜ合わせる。
ボウルに卵を割り入れ、砂糖、牛乳、バニラエッセンスを加え、よく混ぜ合わせる。
科学2:最初の掻き混ぜが大事!全体がサラサラになるまでしっかりかき混ぜる。
パンに卵液が染み込まない原因のひとつに、卵白がしっかり溶けていない事があげられます。卵白は水様性卵白と濃厚卵白で構成されていますが、濃厚卵白の方は粘度が強いため、他の卵黄や、牛乳と混ざりにくい性質があります。よって、濃厚卵白が均一になる様に、しっかり混ぜる必要があります。こうして卵液を均一にすることで、後からパンに液が染み込みやすくなります。
2. 卵液にパンを浸す。
食パンは、耳を切り落とす。1.の卵液をバットなどに移し、パンを浸し、冷蔵庫で約10時間程寝かせる。
科学3 卵液がなくなるまで、一晩かけてじっくり漬け込む。
パンの内部までしっかり卵液が染み込むよう、できるだけ長くパンを卵液に漬けます。ふわふわの本格フレンチトーストを目指すなら、最低でも5時間は卵液につけましょう。時間がある場合は、丸一日漬けておいても大丈夫です。朝に食べたい場合は、前日の夜にパンを漬けておいて、朝起きてから焼くと効率的です。
3. 卵液につけたパンを焼く。
フライパンを弱火で熱し、バターを加える。バターが溶けたら2.を入れ、ふたをして、片面6〜7分程度焼く。底面に少し焼き色がついたら ひっくり返して反対側も同様に焼く。メープルシロップをかけ、好みでホイッブククリーム、フルーツを添える。
科学4:火加減は弱火で!時間をかけて、中身をふくらませるように焼く。
ここでのポイントは、弱火で蒸し焼きにすることです。卵は水分と合わせて加熱すると膨らむ性質があるため、ゆっくり焼く事で、徐々にパン内部の卵が膨らみ、ふわっとした食感になります。もし表面をカリッと仕上げたい場合は、最後にフタを外して1~2分程度、中火で焼いてください。
科学5:焼いている途中は決して動かさない。
途中で動かしてしまうと、表面に綺麗な焼き色がつきません。また、パンに刺激が加わると、せっかく膨らんでいる途中のパンが萎んでしまう原因になります。膨らんだままの状態で、卵のたんぱく質を熱凝固させることで、火を止めてもふわっとした状態を保つ事が出来ます。パンがふんわり焼けるまで、焦らずじっくり待ちましょう。
科学まとめ
- 卵液はしっかりかき混ぜる。
- 厚切りのパンを、最低でも5時間卵液にひたす。
- 極弱火で、動かさずに焼く。
食べるとふわふわで卵液がじわっ!ぷるんとした食感はまるでプリンのようです。お店で食べる手間をかけて作られたような、贅沢なお味です。
いかがでしたか?コツさえつかめば、シンプルな材料で手軽に作れるフレンチトースト。ふわとろに仕上げるために、少々時間はかかりますが、前日の夜に卵液に浸すところまで作っておけば、翌日は食べたい時に焼くだけです。
お店で味わうような本格フレンチトーストを、ぜひお家で味わってみて下さいね。
フードコーディネーター 梅原けい
栄養士免許を取得後、食品商社に就職。 OL勤務の傍ら、フードコーディネーターのスクールに通う。同校卒業後、多数の料理イベント出演、ケータリングなどで経験を積む。現在は企業や飲食店へのレシピ・メニュー開発、料理番組の出演、料理教室の開催、セミナー講師などで活動する。自身がダイエットの悩みやコンプレックスを料理で改善していった経験を生かし、食べることを罪としない「ヘルシースイーツ」などを紹介している。
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