【F東京】武藤、マインツとクラブ間合意!
サッカー日本代表FW武藤嘉紀(22)のF東京と、獲得を狙っているドイツ1部マインツが、クラブ間で大筋での合意に達したことが11日、複数の関係者の話で分かった。移籍金は推定300万ユーロ(約4億円)。今後は武藤とマインツ側の交渉が始まる予定で、本人が決断すれば移籍が内定する。イングランドの強豪チェルシーからもオファーを受けているが、日本代表のバヒド・ハリルホジッチ監督(62)は「プレーできるクラブを探すべき」として武藤に助言する考えを明かした。
武藤のドイツ入りへ、障害がなくなった。複数の関係者によると、11日までにF東京とマインツが移籍金などの条件面で大筋合意。かねて、ドイツでのプレーを希望していた武藤にとって、今夏の海外移籍に向けて、重要な選択肢が増えることになった。
プロ1年目のシーズンを終えた昨オフ、武藤はF東京と18年1月末までの3年契約を結び直した。その際は海外移籍条項を設定しておらず、獲得を目指すクラブはまず、F東京側と移籍金などの条件面で合意を得ることが必要になる。10日の鹿島戦後、F東京の立石敬之GMは「獲得の打診のレベルが上がっているクラブがある」と話していた。
日本代表FW岡崎慎司(29)が所属するマインツは、4月下旬からF東京側と交渉を重ねてきた。岡崎は今夏にもドイツ1部の強豪ボルシアMG、レバークーゼンや、イングランド・プレミアリーグのクラブへ移籍する可能性が浮上しており、代わりとなる点取り屋として武藤に白羽の矢を立てていた。日本代表候補合宿(12、13日、千葉)後にも、武藤サイドと年俸、待遇などを巡り本格的な交渉が始まる見込みだ。
武藤のもとには、3月上旬に欧州有数のビッグクラブ・チェルシーから正式オファーが届いた。移籍金推定400万ポンド(約7億円)でクラブ間合意に達し、武藤には当初、4月中旬に回答期限が設けられた。18年ロシアW杯に向けて出場機会を最重要視する武藤は、見送りの方針を固めていたが、その後期限が撤廃され、現状では回答を保留している。関係者によると、武藤はフィジカルやスピードなど自身の長所が最も生きるリーグとして、ドイツを挙げていたという。
10日の鹿島戦後、武藤は移籍先について、「まだ焦っていない。期限が決まっているわけではない」とじっくりと自身の将来を決める構え。決断が注目される。
◆マインツ05 ドイツ中部のフランクフルトの南西に位置するマインツ市で1905年創設。2001年にOBのクロップ監督(現ドルトムント)が就任して力をつけ、03~04年シーズンに2部3位となり初の1部昇格。10~11年には史上最高の5位に入ったが、翌シーズンは欧州リーグ予選3回戦で敗退。今季は新任で迎えたヒュルマンド監督を2月に解任し、シュミット監督が就任した。残り2節で8勝13分け11敗の12位。11年完成の本拠コファス・アレーナは3万4034人収容。