女性会社員のパクさん(25)は最近、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)で自身のアカウントでなく愛犬「チョロン」の名義で作ったアカウントを管理するのに忙しい。1年前に開設したチョロンのフェイスブックには、パクさんの知り合い数十人が友達申請しており、「チョロン、お誕生日おめでとう」「かわいいチョロン様、遊びに来てください」などと書き込んでいる。こうした書き込みにチョロンも「ワンワン」などと返信する。ペットの猫の名前をアカウントにしたフェイスブック利用者は、チョロンのフェイスブックに「私と友達になりませんか?」とメッセージを送ってきた。
SNS上に自分が飼っている犬や猫の名前でアカウントを作り、管理するユーザーが増えている。フェイスブック・ツイッター・インスタグラム利用者がペットの犬や猫名義でアカウントを作成、「ケイスブック(ケ〈韓国語で犬〉+フェイスブック)」、「ツイートニャン(ツイッター+猫)」「ペッスタグラム(ペット〈pet〉+インスタグラム)」といった新語も生まれた。飼い主のほとんどがペットの写真をアップし、動物が話しているかのような口調で書き込みしている。
ペット名義のアカウントで政治的な意見を掲載したり、敏感な社会問題について発言する利用者もいる。最近、愛犬名義のアカウントで格差社会を批判する書き込みを掲載した会社員キムさんは「自分名義のSNSでまじめな話をするのは(心理的に)負担があるが、犬のアカウントなら、僕と意見が違う利用者も比較的寛大に受け止めてくれるようだ」と話す。ある心理専門家は「社会的問題をめぐって敵味方に分かれ、鋭く対立する社会のムードに対し、これを避けようとする心理の現れだろう」と分析した。
海外では、フェイスブック創業者のマーク・ザッカーバーグは愛犬「ビースト」のアカウントを作り、「ペット名義のSNS」が流行している。マーク・リッパート駐韓米国大使も愛犬の名義でツイッターのアカウントを作っている。