2015年5月1日16時52分
先週末はエディオンスタジアムにサンフレッチェ広島対清水エスパルスの視察にお伺いしました。この試合、広島はJ1リーグ戦のクラブ通算1千ゴールに王手をかけていて、絶対にホームで達成するんだという並々ならぬ気迫を試合前から感じさせました。
彼らがそこまでホームでの達成にこだわる理由、それはオリジナリティーあふれる「ゴールパフォーマンス」にあります。定番の弓矢パフォーマンス(サンフレッチェの由来が毛利元就の「三本の矢」の故事のため)を筆頭に、魚釣り、相撲の突っ張り、自転車、プロ野球の広島カープでおなじみのスクワット応援など、奇想天外なパフォーマンスの数々でファン、サポーターを楽しませてきました。
この日も必ず仕込んでいるだろうと、期待しながらスタンドで見ていたところ、前半29分、ついにその時はきました。セットプレーからDF千葉和彦選手のヘディングシュートが決まった直後、ピッチ上に「1000」の人文字が披露されました。ドウグラス選手の勘違いにより、「1000」の文字が未完に終わったのは、ご愛敬ということで。
記念すべき1千ゴール目を決めた千葉選手は、現在日本代表バックアップメンバーに名を連ねる実力派です。高校卒業後、単身オランダに渡り、2部リーグのクラブにアマチュア契約で加入し、活躍が認められ新潟に逆輸入された異色の経歴。試合前にはJ1通算250試合出場の表彰を受けていて、この試合はまさしく「千葉和彦デー」となりました。
広島のホームゲーム勝利後には、「サンフレ劇場」と呼ばれるパフォーマンスも用意されています。試合終了後のサポーターへのあいさつの後、数人の選手が残り、マイクパフォーマンスを行います。時には、どこからか調達したコスチュームを着用する凝りようです。
この日の中心は、もちろん「1千ゴール男」の千葉選手。マイクパフォーマンスの最後には、恒例の「森のくまさん」の替え歌を、サポーターとともに声高らかに歌い上げました。「カープ女子」「黒田現象」など、広島といえばカープが話題の中心になりがちですが、サンフレッチェもカープに負けず劣らず応援パフォーマンスが楽しいクラブですので、ぜひエディオンスタジアムにサンフレ劇場を見にいらして下さい。
ちなみに、こうしたパフォーマンスは広島以外のクラブでも行われています。代表的なものは、試合終了後に選手が一列になって踊るラインダンスです。清水の「ロコダンス」を始め、湘南ベルマーレや松本山雅などで勝利後に行われていますが、選手とファン、サポーターが一緒になって、左右に踊る姿はメインスタンドで見ていてもほほ笑ましいシーンです。
個性的なものとしては、サポーターが制作したゲーフラ(ゲートフラッグの略。持っているところが門のように見えることから)を掲げて踊る柏レイソルがあります。広島から数多くのプレーヤーが移籍している浦和レッズでは、日本代表の槙野智章選手が音頭を取って、勝利後にピッチ上で浦和の応援歌である「We are Diamonds」を3万人以上のサポーターとともに熱唱していますが、鳥肌モノの迫力です。
スタジアムで試合観戦をする楽しみは、迫力あるプレーだけでなく、こうしたテレビでは見ることが出来ない選手とファン、サポーターによるスタジアムの一体感にもあります。観戦しているスタジアムでホームチームが勝利した時には、いち早く家路につきたい気持ちをグッと抑えて、勝利のパフォーマンスを見て頂ければ、スタジアムの興奮や満足度はきっと倍増するはずです。
【おまけのつぶやき】試合終了後のミックスゾーンにて第4回コラムで取り上げました青山敏弘選手に会う機会がありました。コラムなど読んでないだろうと高をくくっていたところ、青山選手がほほえみながら、「吉田さん」と握手を求めてきました。「コラム読みました」という言葉はなかったですが、あえて言わなかったのではないかと思わせるスマートさに、再度、自分が女性でなくて良かったと思った次第です。
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吉田 国夫(よしだ くにお)
Jリーグ広報部リーダー。大学卒業後、放送局勤務、プロ野球球団のフロントスタッフを経て、2009年にJリーグに転職し現在に至る。
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