成完鍾メモ:国税庁や金融監督院の幹部らにも金品提供か

検察、内訳記した資料を入手

 いわゆる「成完鍾(ソン・ワンジョン)メモ」を捜査している韓国検察の特別捜査チーム(チーム長:文武一〈ムン・ムイル〉検事長)は、成氏が国税庁や金融委員会、金融監督院などの前職・現職の幹部4-5人に渡した巨額の金品の内訳を記した資料を入手したことが19日、分かった。検察はこの資料の裏付け調査を経て本格的な捜査に乗り出す方針で、今回の捜査が与野党の政治家にとどまらず官界の要人にも及ぶ可能性が高まっている。建設・開発会社「京南企業」前会長の成氏は今月9日、朴槿恵(パク・クンヘ)大統領の側近らへの贈賄に関するメモを残して自殺した。

 検察当局によると、捜査チームは成氏の側近や京南企業の関係者らに対する捜査を通じ、成氏が京南企業のワークアウト(債権団主導の経営再建)や税務調査、追徴の減免をめぐり便宜を図る見返りとして国税庁や金融委員会、金融監督院の幹部に提供したとみられる金品の内訳を記した資料を確保したという。捜査チームはこの資料の内容と当時の成氏のスケジュール、裏金を引き出した記録などを照らし合わせ、裏付けを進めるとされる。

 京南企業の監査報告書などによると、同社は盧武鉉(ノ・ムヒョン)、李明博(イ・ミョンバク)、朴槿恵政権期に税務調査を受け、総額290億6000万ウォン(現在のレートで約32億円、以下同じ)の税金を追納した。盧武鉉政権期に44億5000万ウォン(約5億円)、李明博政権期に99億3800万ウォン(約11億円)を追徴され、朴槿恵政権に入ってからは2013年から14年にかけ計146億7000万ウォン(約16億円)を追徴された。また、京南企業が13年10月に3回目のワークアウトを開始した後、同社に有利になるよう金融監督院などが債権団(銀行)に圧力をかけた疑いも浮上している。

 捜査チームは併せて、京南企業側が15日の家宅捜索の直前にパソコンのファイルを削除するなど証拠隠滅を図ったとみて、その経緯を調べている。京南企業と成氏の側近から押収した資料を分析したところ、一部のパソコンでファイルが集中的に削除され、社内の防犯カメラの記録が消されるなど、資料を隠蔽(いんぺい)した形跡が数多く見つかったという。

 捜査チームは李完九(イ・ワング)首相と洪準杓(ホン・ジュンピョ)慶尚南道知事が成氏から裏金を受け取った疑惑を解明するため、今週からまずは成氏の側近を本格的に取り調べる方針だ。

 成氏は自殺直前、李氏が出馬し、当選した13年4月の国会議員補選の際、李氏側に現金3000万ウォン(約330万円)を渡したと証言している。捜査チームは、補選直前の同年4月4日、成氏に同行して忠清南道・扶余に置かれていた李氏の選挙事務所を訪れたとされる成氏の運転手と秘書を事情聴取する。

姜訓(カン・フン)記者
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