スタートアップは死なないことが一番大事
by 古川健介(起業家)
Paul Grahamさんという有名な人がいるのですが、その人のコラムはおもしろいと評判です。
これは極めて素晴らしい記事だと思っており、何度も読んでいます。
これは多くのスタートアップをやっている起業家と話していてもその通りだと思うのですが、特にテック系のスタートアップだと、最後までたっている人が勝ち、というのはよくあります。
スタートアップをやっていると、ひどいことが大量に起こります。普通に大企業で社員として働いている時に起こるひどいことは、1年に1回くらいなんですが、それが2週間に1回くらい来るという感じです。
しかし、それでも立ち続けていれば、ほとんどの場合成功するのではないかと。少なくてもインターネット系というのは、この20年ぐらいは伸び続けている業界で、そこに張っていて、生き残る限り、成功確率は極めて高いという印象があります。
ログミーに以下のような記事がありました。
小澤:全体的にいうと、多分早めに入っている人達は生き残っている確率が高いです。早く始めてるっていうだけで。僕らも正直そういうところがあるかもしれない。
ただ、もちろん志がインターネットって儲かりそうだとか、本質的な部分じゃないところでお入りになられた方というのは辛いこともあるから、ひょっとしたら抜け落ちていくのかもしれませんけれども。
僕の正直な感覚でいうと、思ったよりみんなしぶとくやっていて、言っちゃなんですけれども、うさぽん(宇佐美)の会社、15年かけて上場してんだからね。
宇佐美:そうね、長いからね。
佐藤:リードタイム長かったと。
宇佐美:リードタイム長い老舗だから(笑)。
小澤:その間、あの手この手で(笑)。
宇佐美:食いつなぎながらね(笑)。
佐藤:確かにね。今日こういう日が来るとはさすがにね、わからないですよね、当初は。
小澤:正直もっと早く成功するかなとみんな思っていたけれどもね(笑)。
佐藤:意外と時間かかった。
小澤:意外と時間がかかった。アイスタイルだって長かったよ、成功するまで。
佐藤:粘り強いっていうことですかね。
小澤:粘り強い! 信じた物にしがみついて。それぐらい強烈な体験なんじゃないですか、インターネットって。
「生き残ったのは、インターネットが大好きな人たちだけ」ヤフー小澤氏らが語る、レジェンドたちのネット黎明期
この記事に出てくる、Voyage Groupの宇佐美社長は、1999年にアクシブドットコムを設立してから、15年たって上場をしています。成功の要因はいろいろあるのだと思うのですが、大事なのは、15年間あきらめずにやり続けているからなんだろうなあ、と。
たとえどんなに時間がかかっても、生き残ってやり続けているのが大事なんだな、と最近は実感しています。正直、インターネット系のスタートアップの場合、大きな失敗を避けていれば、立ち続けるのは難しくはありません。そして、立ち続けていれば、いずれは結果が出るということなのかなと。
一方で、心が折れてしまったらどんな状況でも、死んでしまいます。心が折れないためにどうするのか?というのが起業家にとって重要なんでしょうね。好きだから、とか、プライドがあるから、とかなんでもいいと思うのですが、諦めないための根拠を作っておく必要はあると思います
ちなみに、サービスに関して、どう考えてもダメなのに「あきらめないでやり続けます」は僕は怠慢だと思っていたりします。ユーザーに受け入れられていないのであればやめて次のことをやったほうがいい場合もありますし、あと3年たてば時代がついてきてヒットする場合もあります。そのあたりは見極めないとダメなので難易度は高いのですが、、、
どのみち、会社自体を潰さないようにするのが一番大事なのかなーと思うこの頃です。たとえどんな手を使っても。
最近話題の『HARD THINGS』という本も、本当にひどいことがたくさんおきて、そのたびに乗り越えて、最終的には大成功するという本ですが、読んでいて本気で吐き気と動悸がつらかったのでおすすめしておきます。