それでもネイティブアドは広告であることを明示するべきと、ヨッピーさんの記事を見て思った。

この記事どう感じましたか?ソーシャルメディアで一言どうぞ!

4701846759_a37f13ac6e_o

ネイティブアドの話題は、ネットマーケ周辺のホットワードなので簡単に触れづらいのですが、色々な方が言ってる通りやっぱり明示化するしかないんだろうなと思います。

CINRAの代表の方が言っていた、タイアップ記事だからといって広告表記(ADとかPRとか)が必ずしも必要じゃない。タイアップだとしても十分に読者に価値を届けられるなら、それはコンテンツだ。というような話を最初聞いた時には「当然、そう考えるひともいるよね」くらいに考えてました。

紙メディアでも、たとえば新聞だと「編集記事」と「記事広告」の境目は意識してはっきりと違いをつけてる気がするのですが、ファッション誌とかライフスタイル誌などでは、その境目は結構曖昧な部分があると思っているからです。メーカーが売り出したいと考えている新しいモノやサービスの提供を受けたうえで、その情報を編集部が読者に価値を感じさせるコンテンツの形に変換している以上、出稿主と編集の間には業界を盛り上げるための共犯関係があるのだと思います。じゃあ、どこからが広告で、どこからがPRで、どこからが純粋なコンテンツなのかなんて、そもそも色分けする必要があるのか、色分けしないことで渾然一体としたコンテンツに見えるのではないかと考えてしまうことも分からなくはないわけです。(編集部のモラルと気概を読者は信頼する、というようなリテラシーの話も絡んでくる気がします)

ネットメディアの扱う記事広告商材をみても、ここ10年位タイアップ記事の制作は広告であることが明示されないまま、長年運用されてきた歴史があります。著名なニュースサイトでは1本100万円前後でタイアップ記事を書くというメニューが当たり前に用意されていますし、最近はともかくちょっと前までは広告であることの明示的な表記は必ずしも行われてきませんでした。

というように「これまで」を見れば、今回のネイティブアドの議論で立ち上がった広告表記のマスト化の動きは外からやってきた新しい面倒なルールに感じますが、じゃあ「これから」のネット広告をどうするべきかという視点に経つと、今僕は2つの理由から、広告表記は積極的に行っていくほかないのだと考えています。

理由のひとつは、ネット上の記事の読まれ方の変化にあります。

読者にとって利便性の高い、多くのニュースアプリやキュレーションサイトでは、記事を公開しているニュースサイトやブログから、記事単位でテキストをピックアップし、ユーザーの嗜好にあわせて届けられています。旧メディアで起きていたような、「雑誌編集部への信頼感の元、広告であったとしても価値のあるコンテンツだと信じて読者が消化する」といったストーリーが立ちにくくなっているのです。ソーシャルメディア上でも、検索上でも、拡散される際には記事単位で消費されていくため、同様な傾向が言えると思います。

もうひとつの理由は、広告表記をコンテンツのちからで超えていけることが現実に証明されつつあるからです。

特にそれを強く感じたのは、バーグハンバーグバーグとライターのヨッピーさんの仕事です。

タクシー運転手と絶品ラーメン食べに行ったら、予想以上におもしろかった

0011
本日は東京の下町・錦糸町にあるタクシー会社『互助交通さんにお邪魔しています。「若い人の求人が全然来ないから相談に乗って欲しい」と互助交通さんに依頼されたからです。

タクシー運転手と絶品ラーメン食べに行ったら、予想以上におもしろかった | タクシー求人(ドライバー)募集中!互助交通有限会社(東京都墨田区)

読んでもらえば分かると思うのですが、人材募集のタイアップ記事であることを堂々と宣言した上で、それでも面白いコンテンツとして読ませるものになっています。「タイアップ記事=お手盛りの提灯記事」じゃない可能性が、実際に形になっているのです。

「広告だろうがコンテンツだろうがユーザーにとって意味があれば拡散される」と言った言い方は、ネットマーケティングの世界でよく言われています。まさにその通りの世界になりつつあって、広告だと明示したとしても面白いコンテンツを作ることが不可能ではない以上、「これから」のネット広告の信頼性を担保するために、広告表記の明示化はとても重要なことだと思います。そして同時に、本当に優秀な書き手にとってはチャンスだとも言えます。

Photo by JOHN LLOYD

この記事どう感じましたか?ソーシャルメディアで一言どうぞ!

ブログの更新情報は、こちらからフォローよろしくお願いします。

コメントをどうぞ

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

次のHTML タグと属性が使えます: <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <strike> <strong>