野村アセットマネジメントは16日、先月25日に募集を始めたばかりの投資信託「日本企業価値向上ファンド」の販売を停止した。日経平均株価が一時2万円をつけるなど相場の先高観が出てきた中で個人投資家の人気が集中。資産額が想定以上に膨らんで運用に支障が出かねないため、わずか3週間で打ち切った。
「価値向上ファンド」は、稼ぐ力を示す自己資本利益率(ROE)改善などが期待できる企業の株に投資する。個別銘柄や銘柄数は非公表だが、「企業価値」という話題のテーマが多くの個人投資家を引き付けた。
一般に投信は1カ月間で1000億円を集めれば大ヒットとされる。同ファンドは運用初日の今月3日に1000億円を超え、これはアベノミクスの株高で盛り上がった2013年4月以来2年ぶりという。16日の資産額は2176億円で、4月設定の追加型株式投信の中で断トツだ。
ただ資産が急拡大して保有株を増やすと、自らの売買が株価に影響を与えてしまい、機動的な銘柄入れ替えなどがしにくくなる。「市場の流動性などを勘案し、運用規模を適正な範囲に維持する」(野村アセット)狙いで、今後の販売は未定という。
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