アシアナの事故 [航空関係]
アシアナ航空がサンフランシスコに続き、またまたやってくれましたが、彼らの操縦技量が低いのでしょうか?確かにその要因もあるのかもしれませんが、実を言いますと、広島 Rwy 28へのアプローチは結構難しいのです。こんな場合はよく「タイトなアプローチ」といった言い方をしますが。
今回は恐らく、直線進入が出来る GPSとVNAV を使った Baro-VNAV アプローチを行ったと思われますが、IAF 以降は MCP(Mode Control Panel)の高度セットや VNAV Mode の選択が重要になってきますので、VNAV に精通していませんと、正常な3度のパスより高くなりがちなのです。
パスが高くなってしまい、慌てて急降下した結果、回復操作が遅れてローカライザー・アンテナに接触してしまった。或いは、
視程が急激に悪化したとの情報もありますので、ビジュアル・リファレンス(この場合 PAPI が重要でしょう)を確実に視認できないまま不用意に MDA 1500ft(対地433ft)以下に降下してしまったのではないでしょうか。
それにしても何故、Rwy 10 ILS を行わなかったのか?報道によりますと当時の地上風は北北西の風1~2メーター程度だったと言うではありませんか。Rwy 10でもテール・ウインドはないに等しい。管制が許可しなかったのか?それとも管制に言われるがままに28にアプローチしてしまたのか?
本当に運が良かったんですよ!アンテナに接触した後、地面に激突炎上して大惨事になっても不思議ではなかったのですから。似たような事例が私の現役時代にも。
http://fdc.blog.so-net.ne.jp/2008-03-03#comments
新聞記事やニュース番組で次のような解説が行われていましたので、追加説明 をしたいと思います。
広島空港で東側から着陸する際の条件となる視界は1600メートルで、進入開始の時点で滑走路付近の視界は1800メートル以上あったので、天候に問題はなかったとみられる。しかし、その後視界は急に悪くなり、事故が起きた8時5分ごろには300~500メートルにまで悪化していたという。
① A320の航空機カテゴリーは最大着陸重量15万ポンド未満の『C』に分類されます
あiので、最低気象条件は進入チャートの表にありますように1400mとなります。
あi厳密には RVR/CMV 1400m
② 着陸前、視界が悪化したのに進入を継続したのは何故か?
あi進入を開始した後=チャートの IAF(Initial Approach Fix)を通過した後であれば
あi天候が悪化しても進入を継続することができます。そして、
あiMAPt(進入復行点)までにビジュアル・リファレンスが視認でき、通常の操作 で
あi安全に着陸できると判断した場合のみ、そのまま着陸することが可能なのです。
この辺りの判断に誤りがあったのではないでしょうか?進入復行をすべきだったのに、着陸を強行しようとした。
今回は恐らく、直線進入が出来る GPSとVNAV を使った Baro-VNAV アプローチを行ったと思われますが、IAF 以降は MCP(Mode Control Panel)の高度セットや VNAV Mode の選択が重要になってきますので、VNAV に精通していませんと、正常な3度のパスより高くなりがちなのです。
パスが高くなってしまい、慌てて急降下した結果、回復操作が遅れてローカライザー・アンテナに接触してしまった。或いは、
視程が急激に悪化したとの情報もありますので、ビジュアル・リファレンス(この場合 PAPI が重要でしょう)を確実に視認できないまま不用意に MDA 1500ft(対地433ft)以下に降下してしまったのではないでしょうか。
それにしても何故、Rwy 10 ILS を行わなかったのか?報道によりますと当時の地上風は北北西の風1~2メーター程度だったと言うではありませんか。Rwy 10でもテール・ウインドはないに等しい。管制が許可しなかったのか?それとも管制に言われるがままに28にアプローチしてしまたのか?
本当に運が良かったんですよ!アンテナに接触した後、地面に激突炎上して大惨事になっても不思議ではなかったのですから。似たような事例が私の現役時代にも。
http://fdc.blog.so-net.ne.jp/2008-03-03#comments
新聞記事やニュース番組で次のような解説が行われていましたので、追加説明 をしたいと思います。
広島空港で東側から着陸する際の条件となる視界は1600メートルで、進入開始の時点で滑走路付近の視界は1800メートル以上あったので、天候に問題はなかったとみられる。しかし、その後視界は急に悪くなり、事故が起きた8時5分ごろには300~500メートルにまで悪化していたという。
① A320の航空機カテゴリーは最大着陸重量15万ポンド未満の『C』に分類されます
あiので、最低気象条件は進入チャートの表にありますように1400mとなります。
あi厳密には RVR/CMV 1400m
② 着陸前、視界が悪化したのに進入を継続したのは何故か?
あi進入を開始した後=チャートの IAF(Initial Approach Fix)を通過した後であれば
あi天候が悪化しても進入を継続することができます。そして、
あiMAPt(進入復行点)までにビジュアル・リファレンスが視認でき、通常の操作 で
あi安全に着陸できると判断した場合のみ、そのまま着陸することが可能なのです。
この辺りの判断に誤りがあったのではないでしょうか?進入復行をすべきだったのに、着陸を強行しようとした。
ILSが両方向とも付いていると佳いんでしょうが東から進入は障害物があるのでしょうか。
by 楽しく生きよう (2015-04-15 18:08)
僭越ですが
管制に言われるがままに10?
28でしょうか。
自分のような素人でも追い風
数メートルならILSの10だと
思います。
by カイホ@翼の王様 (2015-04-15 21:12)
何のための3000m、CATⅢだと言いたくなりますが、今のアシアナだと、ILSで降りてきても、同じ事故を起こすような気もします。
by 通りすがり (2015-04-15 22:10)
当該機がどのようなアプローチを行ったかが不明ですが、RNAVアプローチでも高度制限も多く、高度処理が難しい印象を受けました。
MCPに高度を入れる場面も多く、スレットは増えがちと思います。
滑走路が近くなってもパスが高いままで、直前になり「ヤバイ!」とあわてて降下したが、不用意に降下しすぎたというシナリオはかなりありうると思います。
ひとつ疑問なのは、GPWSの警告は受けなかったのでしょうか?地形と降下率が相まって受けていても間に合わなかった?
OZのA320はE-GPWS装備機だと思うのですが...。
素人の疑問で大変恐縮ですが、ご存じであれば教えていただけますと、幸甚です。
by 名無しですみません。 (2015-04-15 23:19)
滑走路の両側にILSを設置するのが理想なのでしょうが、
予算の関係などで、片側のみになるのでしょう。
新しい空港を建設する場合、年間の天気傾向を調査してより視界が悪化
する方向にILSを設置しています。
もちろん地形の関係で設置できない場合もあるでしょうが。
by FD (2015-04-16 08:05)
失礼しました。仰るように28の間違いでしたので修正しました。
慣れない空港。外航機の場合は「君子危うきに近寄らず」で
10をリクエストすべきだったでしょう。
by FD (2015-04-16 08:10)
「火病」と呼ばれる韓国人の性格は、冷静さを必要とする航空機運航
には向いていないのかもしれません。
米国の公務員に「韓国機搭乗禁止令?」が出たとの話を聞いたことが
ありました。
とにかく乗らないことでしょうか。
by FD (2015-04-16 08:21)
ステップダウン・フィックスのある VOR アプローチと比べれば
改善されているとはいえ、VNAV アプローチは ILS に比べて操作が
煩雑になりますね。
ところで着陸するために必要な視程(厳密には RVR/CMV)は1600m
だったと報道されていますが、A320はカテゴリーCのはずですので、
表にありますように実際は1400mとなります。
ただし進入開始後、規程以下になったとしても、進入を継続することが
可能で、最後のさいご着陸するかどうかの判断はパイロットが下す
ことになります。その辺りに判断の誤りがあったのかもしれません。
GPWS が作動したかどうかはボイス・レコーダーが解析されれば
明らかになるでしょうが、降下率や対地接近率が警報範囲内に入って
いれば作動しているはずです。
by FD (2015-04-16 08:35)
ご無沙汰しております。シャイアンです。
広島の件で更新されてるかなと期待して覗きに来たらやっぱり(嬉)
広島のBaro-VNAV Rwy28の件ですが、過去の記事にFDさんがすごく良いという主旨のことを書かれていたので正直今回の事故は疑問です。
(事故調の報告を待たないとAPPタイプもまだ不明ですが。)
しかし、A320含むエアバス機はどうも 人⇔機械 Man-Machine I/F に問題があるような気も。。。
エアバス機は着陸時のトリムもオートトリムで人が介在しなくていいような設計になっているようですが、いざという時のprocedure(Modeセレクト等)に人が追いつかないのでは???
かなり昔の話ですが、名古屋で中華航空が墜落した時もG/Aの解除を間違って墜落したんではなかったかと。
確かFDさんもModeセレクトについて過去に書かれてますよね。
by シャイアン (2015-04-16 12:45)
今回の事故で日本テレビ系解説元JALで FDAで退職された 杉江弘 さん 最高です 他の航空なんたらさんたちより ぶれずに パイロットエラーを連発してます 気持ち良い解説です
by cavok (2015-04-16 14:34)
ご訪問、ありがとうございます。
Baro-VNAV アプローチは非精密進入の中では安全な部類に入ると
考えますが、VNAV のモード(PATH か SPD)に注意を払う必要
がありますので、慣れないと戸惑うかもしれません。
新聞に「RNAV は滑走路から10キロ付近までは自動操縦が出来るが、
その後は手動操縦になる」などと書いた記事がありましたが、
そんなことはありません。進入復航点直前まで自動操縦が可能です。
by FD (2015-04-16 16:11)
そうですか、快刀乱麻に切り捨ててましたか。
これが日本の航空会社でしたら「機材の不具合ではないか?マイクロバースト
が発生したのではないか?」と言うかもしれませんが、アシアナですと
「どうせパイロット・ミスだろう」と言いたくなりますね。
by FD (2015-04-16 16:15)
ご無沙汰です。
出張で何度もRWY28のRNAV(GNSS)アプローチに遭遇していますが、
私もマスコミの「RNAVではGPSの誘導を利用して手動で降りる」説明に
「MAPtまではVNAVを正しく使えばシナリオ通りに自動で降りられるだろうが」と突っ込みを入れてしまいました。
今日になってマスコミは「着地寸前に突然視界不良になったのが原因だ」と言いたそうな解説をし始めましたが、
「いやいや、PAPIが見えなかったらためらわずTO/GAする勇気を持つのが、機長の役割なのでは?」と、今日も突っ込みを入れたくなりました。
これは素人の勝手な憶測ですが
「慣れない海外の空港」
「しかもあまり良いとは言えない気象条件」
「先行機はみんな着陸できているのに、うちだけTO/GAしたら、客からクレームが来るかもしれない」
「遅い時間なのにやり直してILSRWY10をリクエストしたら、到着がさらに遅くなってしまう」
「THRまで降りたら、霧が晴れるだろう」
という焦りの心理が、判断ミスを招いたのかもしれません。
しかし、いざというときは諦める勇気を持つ事こそ、プロの仕事だと思います。
機長または副操縦士が「ゴーアラウンドしましょう」と進言できる雰囲気だったのか、それとも機長の判断に口を挟みにくい雰囲気だったのか。
操縦席内のやり取りは、CVRの解析を待たないと何とも言えませんね。
by NEXUS (2015-04-16 17:34)
>副操縦士が「ゴーアラウンドしましょう」と進言できる雰囲気だったのか、
それとも機長の判断に口を挟みにくい雰囲気だったのか。
このご指摘で思い出したことが。むかし三宅島へYS-11で飛んでいた頃
の話なのですが、空港には NDB しか設置されておらず、特異な進入方式が
設定されていたのです。
NDB の上空から東の海上へ向かって高度を下げていき、海面を視認したら
Uターンして空港へと向かうのですが、もちろん DME などはありません
ので空港までの距離が分からないのです。
ひたすら海面を見ながら空港へと接近していくのですが、見えるのは
真下の海面だけで前方は霧の中、三宅の島影は見えてこないのです。
このまま飛び続けますと、眼下に空港が見えた時にはすでに手遅れ?
その先に立ちはだかっているのが標高775mの雄山なのです。
とうじ三宅島空港には整備士が常駐していませんでしたので、
我々と一緒にジャンプシートに乗って来ていたのですが、彼が私のシートの
背もたれを強く握りしめて緊張しているのが、ひしひしと背中に伝わって
きていたのです。
私も我慢できずに言いました「キャプテンやめましょう!」と。
するとキャプテンも救われたように「よしやめよう」と言って進入復行を
開始したのでした。
コーパイが不安に感じたら、キャプテンに迷わず助言する。これは非常に
重要なことですね。
長くなってしまいましたが、コーパイ時代の回想をお許しください
by FD (2015-04-16 19:49)
アシアナは不明ですが、コックピット内の権威勾配を考慮しているキャリアが大半ではないのでしょうか???
特に南朝鮮は軍上がりが多いと聞きますので、その辺りも根底にあるのかもしれませんね。。。
by シャイアン (2015-04-16 19:54)