ツイキャスが1000万ユーザー突破、動画サービスからプラットフォームへ

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モイが提供する動画ストリーミングサービス「TwitCasting(ツイキャス)」が1000万ユーザーを突破した。4月8日に同社が明らかにした。

2010年2月のサービス開始から5年弱での達成となる。以下がユーザー数を示すグラフだが、サービス開始から順調にユーザー数を増やしていたが、2013年後半からはユーザーが急増。女子高生を中心にしてサービスを拡大してきた。

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また、当初はノンプロモーションながら、海外ではブラジルを中心に局地的にユーザーが増加。現在海外ユーザーの割合は全体の2割ほどだが、その半数(つまり全体の1割程度)はブラジルのユーザーなんだそうだ。そんなこともあって、現在は米国・ブラジルでもユーザーサポートを行っている。

2013年頃まではアクティブユーザー(ユーザー数400万人でMAU200万人程度だったと聞いている)を公開していたが、現在は非公開。ただし、関係者から聞く限り、いい数字を出しているようだ。

実は国内の競合サービスなどでは、ツイキャスのキャス主(配信者)にターゲットを絞って、プラットフォームの移籍を打診するような動きもあったりするが(このアカウントなのだが、堂々と「ツイキャス主専用のキャスティングアカウント。 フォロワー1000人以上のツイキャス主なら誰でも我々の公式アカウントに応募できる」なんてうたっている)、「ビジネス面でのグロースでなく、ユーザーの求める機能の開発を優先したところがユーザーからの評価に繋がっており、継続してサービスを利用してもらっている」(丸吉氏)とのこと。この1年で提供したコラボキャス(複数人配信)の機能も非常に多く利用されているし、動画を大量に視聴する若い世代にとって大敵となる回線の速度規制に対しても、規制回線向けモードを提供しており、これも好評だそう。

おしゃべりツールからプラットフォームに

もう10代だけのサービスではなくなってきた——モイの丸吉宏和氏は語る。海外での利用はさておき(ブラジルでは初期からアーティストが音楽ライブの配信などをしていた)、日本では「女子高生のおしゃべりツール」からスタートしたツイキャス。高画質配信にも対応してからは、政党やスポーツチーム、アーティストなど、さまざまな組織の公式配信ツールとしての役割も担いつつあるのだそう。その結果、ユーザーの属性も(詳細は非公開だったが)30、40代まで広がったという。

特に2014年10月、法人利用を前提として高画質配信に対応してからはその動きが顕著になっている。アーティストが新譜を発売する際などは、ミニライブなどをツイキャスで配信することも増えたそうだ。

すでにPC版の広告やギフト用のアイテムなどで課金をしているツイキャスだが、1000万ユーザーを迎えていよいよ本格的なマネタイズを始める。具体的な話は今後発表していくということだったが、「ライブ配信はPRには使えても、それだけでは(配信でPRする商品の)売上にはそんなに影響はない、と言われるのは苦しかった」(丸吉氏)と語っていることから、マーケティングやコマース関連の機能を実装していくことが予想される。

実際、ツイキャスで女性誌のモデルがおすすめした化粧品が翌日にはAmazonで売り切れになるといった現象も起きているらしいし、法人のキャス主を中心に、コマース機能の連携ニーズは高いらしい。このあたりは今春中にもまた発表すると聞いている。

TwitterのPeriscope買収の影響は?

3月にはTwitterがツイキャスの競合サービスであるPeriscope買収し、さらに別の競合サービスであるMeerkatに対して、ソーシャルグラフの使用を禁止するといったことが起きている。ツイキャスには影響はないのだろうか? 丸吉氏は「(ソーシャルグラフの使用制限など)何もないとは言えないが、ツイキャスではすでに独自IDを用意しており、その数も増えている。またAPIの利用なども適切に行っている」と説明した。

また、無免許運転で逮捕されたユーザーがツイキャスでその内容を配信したり、別のユーザーが「秋葉原にサリンを撒きます」とエイプリルフールにツイートした上で謝罪と称して配信をしたりと、法に触れたり、そうでなくとも公序良俗に反する…なんていうと堅苦しいかも知れないが、ずいぶん残念なことをするユーザーも直近は目立っている。

このあたりの問題ある配信については運営サイドでも把握しており、その対応を強化していく方向にあるようだ。もちろん、局部を露出して配信なんていうのは以前からアカウントを停止しているそうだが、端末の制限(アカウントを変更しても同一端末での利用を禁止する)まで含めた厳しいペナルティも用意しているとのこと。

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