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 戦時中の幼少期、敵国人として名古屋の抑留所に入れられたイタリアの女性作家ダーチャ・マライーニ(78)。その収容体験を題材に、神奈川県在住のイタリア文学者、望月紀子さん(73)が1冊の本を書いた。『ダーチャと日本の強制収容所』(未来社)。「70年前の過酷な歴史を知ってほしい」と話す。

 ノーベル文学賞に最も近い作家の一人とされるダーチャは、1960年代のデビュー以来、フェミニズムや社会的束縛の打破などを主題に書き続けてきた。作品を翻訳してきた望月さんは「『牢獄からの解放』とも言えるテーマの原点は、最初の牢獄だった収容所にあるのでは」と考え、ダーチャとその家族の抑留当時を描くことにした。

 38年12月、両親と共に来日。父は後に著名な人類学者となったフォスコ。母トパーツィアはシチリアの貴族の出で、前衛画家としても活動した。日本で2人の妹も生まれた。