月舘彩子
2015年4月7日17時12分
高潮や津波の際、押し寄せる波の力で立ち上がる防潮設備の開発を名古屋大学と日立造船などが進めている。7日、名大で実験が公開され、幅数百メートルの津波に対応できることが確認された。防潮堤の上に敷くことで、景観を損ねずにかさ上げ効果が期待できるという。
「フラップゲート」と呼ばれる仕組み。普段は地面などに敷かれた板が、押し寄せた水の浮力で立ち上がって壁になり、浸水を食い止める。人力も電力も使わない。ただ、これまでは幅10メートル程度の波にしか対応できず、防潮堤の開口部やビルの入り口などへの設置に限られてきた。
今回、金属のケーブルで板を横につなげることで、幅数百メートルの波にも対応できるようにした。この日の実験では4分の1の縮尺の模型を使い、8枚連結させた板が、波を受けて連続して立ち上がることを確認した。防潮堤の上に敷けば、3~4メートルのかさ上げと同じ効果になる。
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