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行動経済学に学ぶシゴトの本質。IKEA効果とやりがい。

ぼくが最も関心を寄せる学問の一つ、それが「行動経済学」です。

行動経済学の白眉といえば、ベストセラー「予想通りに不合理」で有名なダン・アリエリー。

彼がTEDで行動経済学の見地から「仕事のやりがい」について語った動画があるのでご紹介しましょう。

ケーキミックスはなぜ売れなかったのか?

ダン・アリエリーはTEDのプレゼンの中で「イケア効果」というものを紹介しています。

イケア効果とは「人は出来合いの高級家具よりも、イケアで買って自ら手間暇かけて組み立てた家具の方に高い値段をつける」というものです。

「人は自分で作ったものに本来以上の価値を与えてしまう」

本来、自分が手間暇かけることと、商品の価値は全く別物のはずが、実際は本来の価値に、自分がかけた手間を付加価値として考えてしまう、という極めて不合理な生き物なんですね。 

ここで一つケーススタディをご紹介。
1940年代、半世紀以上前にアメリカではじめて水だけいれてかき混ぜて焼けば簡単な出来上がる「ケーキミックス」が発売されました。

しかし、発売当初は全くの鳴かず飛ばずで思うように売れなかったそうな。それはなぜか?

味が原因?いや味は問題ない。

では何が足りなかったか。

コタエは「十分な努力」の不足が原因だったそうです。 

彼らはケーキミックスに含まれていた卵と牛乳の成分を取り除き、水だけでなく牛乳と卵は自分で入れるような製品に変えた途端、爆発的に売れるようになったそうです。

「可能な限りラクしたい」という自分と「十分な努力をして私が作ったの!と言いたい」という自分との絶妙な心理バランスを捉えにいかないといけない。

人間って不合理ですね。不合理だから面白い。

アダムスミス的な分業制はもう古い?

その後ダンは仕事のやりがいについて語る上で歴史的な二人の経済学者をプレゼンテーションの場に召喚します。

そう、アダム・スミスとカール・マルクスの二人です。 

アダム・スミスとカール・マルクスの対立は、すなわち効率性(efficiency)と意義性(meaning)の対立でした。

例えば、とある工事の生産現場。

アダム・スミス的な分業制で言えば、生産工程を12に分けてそれぞれの工程毎に担当者を置いて分業させることで生産性を最大化します。

一方のカール・マルクス的な考え方で言えば、自分の作業が何につながっているかが分からない「疎外された労働」には意義を見出せず、すべての工程を一貫して行うことでようやく仕事に意義を見出すことができ、仕事を愛せるようになると。

産業革命時の、フォーディズム的な大量生産・大量消費の時代はアダム・スミス的な生産性重視の働き方の勝利でしたが、今はどうでしょうか。 

大量生産・大量消費の時代はもうとうの昔に過ぎ去っていて、知識経済社会(Knowledge economy)に突入しています。 

労働のモチベーションはもはや金銭的報酬だけではありません。

・意義
・創造性
・挑戦
・オーナーシップ
・アイデンティティー
・プライド

などなど。
単能工よりも多能工。
イチブではなくゼンブ。

マルクス的な考え方で仕事を割り振ったほうが、現代の労働者のモチベーションと能力を最大限に引き出せる時代に来ているのかもしれません。

行動経済学から学ぶべきことは本当にたくさんあります。ニーズがあれば今後も定期的に発信していきたいと思ってます。

推薦図書

仕事のモチベーションについてより学びたい方はこちら

行動経済学について学びたい方はこちら

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