30代以降に「逆転」できるかは
20代の過ごしかたで決まる?
悔いのない人生を送るために、20代をどう生きるべきか。若者の心理を専門に研究する、心理学者が教える。
メグ・ジェイ
Meg Jay
米国の心理学者、カウンセラー。ヴァージニア大学臨床心理学准教授。発達心理学、20代の若者の心理を専門とする。2児の母。「ニューヨーク・タイムズ」などに寄稿。著書に『人生は20代で決まる』(早川書房刊)。
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ボストン大学とミシガン大学が著名人や成功者の自伝を調査したところ、彼らの人生に強い影響を与えた経験や出会いは20代に集中していたことがわかった。年を重ねるとともに、人生は自分の思い通りになると思われがちだが、就職、結婚、出産などのライフイベントは20代後半から30代半ばにかけて起こる。30代以降では、すでにキャリアは築かれており、家族に対する責任も重い。だからこれまでの継続しかできないのだ。可能なのは、せいぜい軌道修正をする程度だ。
20代が人生のなかで「最高のとき」だと考えがちだ。しかし、実際は仕事や経済的な問題に直面する。むしろ人生で「最も不安定で困難な時期」なのだ。20代で下した決断が、残りの人生を形成する。人生は20代を過ぎても続くのだ。自分は「30~40代にはこうありたい」という姿を明確にしたら、それに向かって辛くても行動を起こさねばならない。「若いうちに楽しむべき」という無責任な文句を真に受けて、複数のセックスフレンドを持ち、定職に就くことを避け、日々遊び歩くような“良い思い出”作りに貴重な時間を浪費するべきではない。
from USA 「ロサンゼルス・タイムズ」(英語)
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[courrier-japon 4月号 P60~]