東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 東京 > 4月5日の記事一覧 > 記事

ここから本文

【東京】

昇降式ホーム柵「不安」 視覚障害者団体が安全性調査

JR八高線拝島駅で昇降式ホーム柵を点検する山城さん(中)=昭島市で

写真

 乗客の転落防止のため鉄道駅への設置が進むホーム柵のうち、JR東日本が先月、管内で初めて八高線拝島駅(昭島市)に試行導入した「昇降式ホーム柵」について、視覚障害者が不安を感じている。障害者団体が四日、同駅を訪れ、安全性を調べる「点検行動」をした。

 訪れたのは、約千百人が加盟する「全日本視覚障害者協議会」(豊島区)の人々。理事の山城完治さん(58)が呼び掛けた。

 ホーム柵は、JR山手線などの左右開閉式(ホームドア)が多い。ホーム全体に扉付きの柵があり、列車が到着すると、扉が左右に開く。一方の昇降式は、筐体(きょうたい)と呼ばれる支柱に設置された三本のバーが上下する。

 JR東日本八王子支社によると、昇降式は低コストで、扉の位置が異なる車両にも対応しやすく、列車の停止位置の許容範囲も広いという。JR西日本広報部によると、神戸線六甲道(ろっこうみち)駅(神戸市灘区)でも試行運用されている。

 しかし山城さんによると、柵を設置した支柱がホーム内側に出っ張っていて、視覚障害者はぶつかる恐れがあり、ホーム上の新たな危険になり得る。また、列車の扉の位置がホームドアと比べて分かりにくく、乗降に不安もあるという。

 この日は都内や埼玉、神奈川県内から十人が参加。点字ブロックの位置、支柱の位置や点字の表示、バーの位置などを手や白杖(はくじょう)で確認。列車に乗ってみるなどした。

 山城さんは「この駅は停車時間が長いのでよいが、列車扉の位置を探さなければならないのは不安。支柱にぶつかる心配もある。左右に扉が開閉する方式のほうが視覚障害者にとって安全。基本は左右開閉式にしてほしい」と訴える。

 JR東日本八王子支社広報課は「試行導入に合わせて点字誘導ブロックを移動し、柵に近づくとセンサーが働いて音声で注意喚起するようになっている。当面は試行し、結果を基にその後の対応を決めたい」と話していた。 (榎本哲也)

 

この記事を印刷する

PR情報





おすすめサイト

ads by adingo