サイプレス上野とロベルト吉野 |
DATE : 2015/04/01 |
インタビュー:高木“JET”晋一郎
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「活動休止前のライヴって、吉野がとにかく二枚使いして、そこに俺がフリースタイルを載せるみたいな、すごくフリーキーになってたんですよね。そういうスタイルも面白かったけど、でも吉野以外のDJとライヴするときは、そういう掛け合いよりも、やっぱり曲をちゃんと聴かせるライヴになったんですよね。そこで、ちゃんと曲を聴かせるっていうライヴの面白さを感じたんです。だからサ上とロ吉のライヴは、自分たちが過剰を求めすぎてたなって。普通に曲やったら普通に盛り上がってくれるし、なんだ、みんな曲聴きたかったんだって(笑)」--サイプレス上野
2012年末の、横浜の先輩であるOZROSAURUSとがっぷり四つを組んだ“ヨコハマシカ”のリリースや、2013年にはアルバム「TIC TAC」、そして 二枚のベスト(「ザ、ベストテン 10th Anniversary Best(紅)/(白)」)のリリース、様々なフェスへの招聘など、シーン内外を問わず、八面六臂の活躍を見せていたサイプレス上野とロベルト吉野。しかし好事魔多し、2014年初頭にロベルト吉野が体調不良に見舞われ、ユニットとしての活動を休止し、サ上はソロとして活動、ロ吉は療養という事態となっていた。だが、昨年10月の復活ライヴを経て、2015年、アルバム「コンドル」をリリースする。
アルバムとしての構築度や、客観性やサービス性の高かった「MUSIC EXPRES$」、それと逆のヴェクトルとも感じられる、サ上とロ吉が丸出しとなった「TIC TAC」の二枚に比して考えると、今作「コンドル」は、その二枚の中間のバランスを取りながら、よりサ上とロ吉の根本にある、イズムや影響を押し出した一枚と言えるだろう。ある種の“サプライズ”や「誰もがまだ体験したことのないモノの提示」を根本に置きながら、それを閉じた形ではなくポップに、しかしその実には毒も潜ませるという、非常に彼らしか出来ない(「彼らしかやらない」も含めて)作品となった今作。復活劇とそこからの飛躍、そしてそのまさかの結末とは!
■今回は吉野君の獄中体験談が訊けるということで。
サイプレス上野「『マーシーの薬物リハビリ日記』インスパイアとして。……そういうこと言ってるとホントに怒られるし、休止したときに流れた、吉野逮捕説に信憑性が出ちゃうから止めてくれ!」
■なので、そういう疑義を晴らすためにも、吉野離脱とは何だったのかという部分から、話を伺えればなと。
ロベルト吉野「そうっすね……(長い沈黙)」
上野「早速の黙秘権か。いいぞ!」
■よくないよ! ベストをリリースして、ここから改めて新しい段階に進むタイミングで急に活動休止というのは、やっぱり驚いた人も多いと思うんだよね。
吉野「ベストのスクラッチとかを録ってるタイミングから、ふつふつと限界的な部分を感じてきてたんスよね」
■それは肉体的?精神的?
吉野「どっちもっすね。あと家庭環境とか……」
■家庭環境って……高校生か!
上野「俺たち、もう一家の主でもおかしくないんだぞ、歳的に(笑)」
吉野「ひとつの原因としては、呑み過ぎですね。どこでもかしこでも呑みまくってたんで。それでガタが来ちゃって。まあ、今も別に酒の量は減らしてないんスけど」
■何も反省してない……。
吉野「禁酒は無理なんで」
上野「威張って言ってるけど、それは意志の弱さだろ!」
吉野「活動のプレッシャーだったり、いろいろ後先のこととか考えすぎて、頭がずっとグルグルしちゃってたんですよね。その上に酒も呑んじゃうし……っていうループで、頭が爆発しちゃって。それで街でNEW ERA被ってる奴にケンカ売っちゃったり」
上野「ニュー・エラ狩りを勝手に始めてたのか」
■急進的なHIP HOPヘイターになっちゃったのか。相当危険な状況だったんだね。今の精神状態は?
吉野「まあ普通っすね。だいぶスケジュールも埋まってきたけど、そこまでプレッシャーは感じないぐらいになってて。目的を持って、やるべきことをやっるっていう感じっすね、今は」
■無目的に行動起こしてたら危ないヤツだよ。一応、心の安定は図れてると。
吉野「あー、心はもう一生……」
■暗いわ!
吉野「じゃなくて、一生乱れることはないと思いますね、ハイ(と言いながらハッピーターンを食べ続ける)」
■それだけお菓子食えりゃ平気だわ。上野君がそこで感じたことは?
上野「最初は超喰らったっすよ、当然だけど。グループ自体も解散するかどうかも考えたし。でも、ライヴも入ってたし、ビート武士とか、ドリーム周りの連中も止めない方がいいって言ってくれて。計画してたワンマンも飛んでるし、最初は『吉野の野郎!』って思ったけど、武士やDJ MISTA SHARさんとかがバックを務めてくれるって申し出てくれたのもあって、それで切り替えて、すぐライヴは始めてて」
■全然休んでなかったよね。
上野「いろんな人が気にかけてくれたし、サポートしてくれたのが大きいっすね。ANARCHYも『ラッパーは止まったら終わりだから』って声かけてくれたり。そういう支えで続けられたっていうのが大きいですね」
■他にもDJ KENTA君とかHOTCHI君がバックDJを務めたわけだけど、その感触はどうだった?
上野「あと大阪ではPEKOもだし、FUMMYも名乗りを上げてくれた。FUMMYは『バトルDJだから(吉野が)ヤキモチ焼く』って丁重にお断りしたけど(笑)。あとMSGとのバンドセットもデカかったし、みんなしっかりしてるなって」
吉野「そうなんすね〜(アルフォートをバリバリ食べながら)」
■しょっぱいの食べたから、次は甘いのに手を出して。無限に食べられるルーティンだし、そりゃ吉野のアー写の顔面もパンパンに膨らむわ。ハマケン(在日ファンク:浜野謙太。吉野と中学の同級生)に新アー写渡したら衝撃受けてたもん。
上野「ZEN-LA-ROCK君も『二人組なのに片方に知らない人が写ってる!』って言ってた(笑)」
吉野「でもちょっと痩せましたよ?」
上野「この野郎……でも話を戻すと、俺らの曲を知ってくれてる人が、DJに名乗りを上げてくれたから、全然やりやすくて。ライヴの構成としても、『サ上とロ吉』で期待されてるような動きはしなくても大丈夫になったんですよね」
■それは例えば?
上野「活動休止前のライヴって、吉野がとにかく二枚使いして、そこに俺がフリースタイルを載せるみたいな、すごくフリーキーになってたんですよね。セッションみたいな感じになってて。エクストリームを見せなきゃって義務感みたいなのがあって。そういうスタイルも面白かったけど、でも吉野以外のDJとライヴするときは、そういう掛け合いよりも、やっぱり曲をちゃんと聴かせるライヴになったんですよね。悪い意味ではなく、ツルッとライヴが出来て。そこで、ちゃんと曲を聴かせるっていうライヴの面白さを感じたんですよね」
■確かに、サ上とロ吉のライヴにあった、スリリングさとはちょっと違うアプローチだったよね。
上野「だからサ上とロ吉のライヴは、自分たちが過剰を求めすぎてたなって。普通に曲やったら普通に盛り上がってくれるし、なんだ、みんな曲聴きたかったんだって(笑)」
■そこに気づいたんだ(笑)。
上野「歌ってることに対しても、自分としても気持ちが乗るんですよね。『感動した』とかも言ってもらえたり。そういう、張り詰めないライヴが出来てましたね」
■……そう考えると、再びタッグを組んで大丈夫なの?この後はまた張り詰めちゃうのかなって思っちゃうけど。
上野「そこで得たものが、ちゃんとサ上とロ吉にもフィードバックするから大丈夫。吉野休止中の『ちゃんと聴かせるライヴ感』と、『吉野との1MC+1DJだから出来るライヴ』のバランスが、これからは取れると思いますね」
吉野「僕は休止中、半年以上ターンテーブルに手を付けてなかったんですよね。HIP HOP自体、ラジオとか手元にあるミックスぐらいしか聴かなくて。で、それまでは練習しないことが不安だったんですけど、休止になったときに、逆に一切止めてやろうと思ったんです。それで復活が決まったときにまたDJを始めたんですけど、そのときに良い具合に力が抜けてて、悪いクセが抜けてたりしたんですよね。ミスが起きるのも、悪いクセが故の部分だったことも気づいて。スキル的に、縛られてたモノから開放された感じがあったから、これからはもっと良いDJが出来るのかなって」
■そして、活動再開後の初のアルバム・タイトルが「コンドル」という、ザックリしすぎてて意味があるのかないのか区別の付きづらいタイトルですが。
上野「これも横浜ドリームランドにあった乗り物ですね。だから、今までのタイトルと一連の流れの上にはあって」
■どんな乗り物だったの?
上野「椅子が上がって、グルグルまわるっていう」
■ディズニーランドのダンボみたいな。
上野「そうっすね。もちろん、もっとドラマティックな名前の乗り物はあるんですよ。でも、ドリームランドのパンフレットを読み返したときにこの名前を発見して、『復帰作で<コンドル>って、マジで意味が分からねぇ!これしかねぇな!』って」
■その部分も含めて、それこそ「WE ARE BACK!」みたいな感じじゃなくて、今まで以上にサ上とロ吉そのままの作品だなって。
上野「『帰ってきたぜ!』とか恥ずかしいでしょ?気分としては『恥ずかしながら帰って参りました……』って感じだもん」
■横井庄一的なメンタルで。
上野「劇的なのは去年の横浜Club Lizardでの復活ライヴぐらいでいいのかなって。あそこで禊ぎは済んだと思うし、まだ引きずってお涙頂戴みたいなことしてもしょうがないでしょ」
■サ上とロ吉としての活動休止中には、サイプレス上野 a.k.a. ラ¥マヒストラルUとして“ドリームアンセム”、そして“売命行為”の二曲を発表してたけど。
上野「客演はあったけど、自分でコーディネートしてレコーディングするっていう感覚を忘れたくないっていうのがあったんですよね。それでOHLDに連絡して録ってもらって。だから、“ドリームアンセム”がアルバムの制作の始まりかなって。そのときには実は復帰するっていう話はもうしてて」
■メッセージの内容は根本は違うけど、リリースのタイミング的に“売名行為”はdodoとのビーフも想起させる部分もあって。そして、その件については、今作の“LOVE”でその裏側も形にしてるよね。
上野「ここで言ってるようなことだったんですよ、結局」
■このビーフが、この曲に書かれてるような裏側が原因なら、本当に残念だなって。それはdodo君にとっても。
上野「史上最低なビーフでしょ。誰も得してないし、なんなら俺が『返すのが速かった』って謎に褒められたり。仕掛けてきたからムカついてすぐ返したけど、よく調べたら、この曲でも言ってるけど、裏で糸引いてるヤツがいたんだよね。それで、やってることがクソすぎて頭に来てたら、、リーク前に知っていたヤツらが実は同じイヴェントに出てて『上野だったら上手く返せると思って……』とか言ってて」
■う〜ん……そう思ったのは何故なんだろう。ちょっと性善説に則り過ぎだし、上野君に甘えすぎだよね。
上野「ホント、『スゴいなその感覚!』って。『そんなに人間みんな良い人だと思ってるの?』って感じだったよね」
■“プロレス”をするんなら、お互いにブック(進行や流れ)に認識することが必要だよね。だけどシュート(流れ無視のリアル・ファイト)を仕掛けてきて、それにガチで返したら、「プロレスをやってくれると思ってた」っていうのは、通用しないよね。
上野「さりげなくケーフェイしてんなよ!みんな最近『プロレスする/出来る』とか言うけど、プロレスは“予定調和”の意味じゃないから!プロレス甘く見ると絶対怪我するから。で、dodoからの二回目を返してなかったから、この曲で返したって感じかな。というか、dodoに返したというよりも、糸引いてたヤツやその周り、そしてあの騒動を楽しんでたヤツへの回答って感じっすね。そんなに楽しいだけの健全な話じゃないよ、ビーフって。dodoには結局会ったこともないから、操られたなら可愛そうだなって気持ちもちょっとある」
■ちょっと後味が良くはないね。話をアルバムに移すと、まず“イントロ”の吉野節がスゴい。自分で自分のことを“執行猶予”ってコスってて、結局、有罪は有罪なんだって(笑)。
吉野「一応、休止に対する罪の意識はあったってことで」
■反省感ゼロな声が最高でした。復帰作なのに超暗いビートで始まるとか、らしいと言えばらしいなと。
上野「あれはSHAKKAZOMBIEの“手のひらを太陽に”と同じネタっぽいんですよね。でも、ただ暗いだけじゃしょうがないから、吉野が帰ってくるっていう話にして。そこで録ったセリフを更に俺がエディットして、吉野が実家にいることを強調するっていう(笑)。超下らない内容に自信あり」
■ループの部分とかヒドいよね。
「脱線3とかがやってた、ヴォイス・ドラマっぽいっていうか、俺らの好きだったエッセンスですよね」
■“STRAIGHT OUTTA NGK”とかね。
上野「ああいう曲って、嫌いな人はホントに嫌いじゃないですか。『HIP HOPで何遊んでんの?』って。でも、本来HIP HOPって遊ぶもんでしょって、改めて思ったんですよね。今回の全体のトーンは、そういうイズムが中心かもしれない」
■HIP HOPを使って遊ぶ感覚というか。続く“ドリームアンセム”と“BE A MAN”は、やっぱり「良い内容」だと思うんだよね。だから、そのままそういう風に進むのかなと思ったら、どんどん脱線していって。
上野「だから、その二曲に続く“おぎゃあ”で、『みんな真面目過ぎない?』って言って、『お前が言うのかよ!』っていうツッコミ待ちをしてるっていう(笑)」
■“BE A MAN”は遂にBoseさんとタッグを組んだ非常に感動的な曲だけど、その根本はスチャダラパー“Boo-Wee-Dance”の「やってる方はきっとテヘペロ」ってリリックを地で行く内容になってて。
上野「意地の悪い高木JETみたいな人間はそうやって思うけど、でも、普通のリスナーは、普通に受け取ると思うんですよね。Boseさんに言われたのは、『サ上はスチャダラパーの一番悪い部分を継承してる』って」
■ホントだわ。
上野「おい! でも、スチャは“今夜はブギーバック”っていうヒット曲があるから、リリックに裏とか、裏の裏があっても、みんな“表側”を見てくれるわけですよ。だから、それも含めてBoseさんに『ヒット曲を作らなきゃダメだ。一曲ヒットがあればそれが正義になる』って教わって」
■的確だけど怖いなー。
上野「Boseさんに『“YouTube見てます”も、<ちゃんとCD買います!>とか深刻に受け取られる場合もあるんですよ、ギャグだと思ってくれなくて』って相談したら、『それは今のスタンスだと、裏か表かが分かり辛いからだ。あの曲を作って喜ぶのは、今だとやけのはらぐらいでしょ』って(笑)」
■ハハハ!どういうピンポイントだ。
上野「でも、だからこそBoseさんと『真面目な曲』を作ろうって話をして。それでBL君にBoseさんと一緒に作るってことも含めて、『ドラマティックなトラックを作って下さい!』って長文メールでお願いしたんですよね」
■そう考えると、ヒット・ソングの作り方、そのHIP HOP版を、BoseさんとBACHLOGICさんとあえてやってみたってことだよね。
「最初はもっとテレがあったんですよ。でも、より冷静にリリックを書いて、より泣かせるモノを作ろうって。ドンキやラジオでふとかかったときに、それを聴いてる客が泣いたら勝ちっていう曲を作ろうと(笑)」
■ハハハ。
「でも、職業作詞家のやってることってこういうことだよなって」
■作詞術としては、ターゲットを決めて、その人たちが響くようにっていう「普通の作詞」をやってるんだよね。
上野「だから、やってることはマキタさんと同じなんですよ」
■マキタスポーツの“十年目のプロポーズ”だ。でも、そういった構造的な作り方であると同時に、Boseさんも上野君も結婚して、その部分が投影されているから、その「虚実の皮膜」が、すごくリアリティとしても作用してて、すごく興味深い曲だなって。
上野「吉野は感動した?」
吉野「スゲえ感動したってわけではないっすけど」
■じゃあダメじゃん(笑)。
上野「こいつは……。まあ、吉野はインサイダーだから。でも、この曲ライヴで演って、泣いてる人がいたりしたら、正直心が痛む(笑)」
■“やってやるって”は今の自分の置かれてる状況を明らかにしてるけど、リリックにあるように「玉虫色のコウモリ野郎」って言われるの?
上野「全然あるよ!ホント。もっとヒドいことも言われてる」
■上野君みたいにキャリアを重ねても言われるんだ。相当根が深いな。
上野「シーンからこの曲を作るためのモティヴェーションは山ほど食らってるっすよ、ホント。理由があって批判されるなら分かるけど、単にやっかみで文句言われることも多いし、ベスト盤出してるのにガキ扱いなんて、マジでどうしたらいいんだって。悪いけど俺はこれで食っているんで、自分のためになる以外の遊び、強制飲み会とかに参加してる時間はないっす。業種は違うけど、同じようなプレッシャー食らってるLafayetteの社長と『いつかひっくり返そうな!』って話したり(笑)。5lackがサイゾーで言ってたことに頷いたし、年功序列で語られる場面が多すぎるよね。なんでそいつの人生かけたものがしっかり評価されないのか?他のジャンルの方がよっぽど一発で仲良くなれますね、やってることをやその場でやれることを理解してくれるので。音楽なんだから喰らわせ続けるのが俺たちのやることでしょ!?って」
■いわゆるHIP HOPのシーン外という意味では、トラック・メイカーにHALFBYとLEF!!CREW!!!が入ったのが、上野君のチョイスっぽいなって。
上野「いわゆる異ジャンルって言われる中に友達はめっちゃ多いのに、そこと組んでこなかったのは、自分でも守りに入ってたのかなって思って」
■HALFBYさんは基本的にインストの人だし、たぶん日本語ラップのトラック制作って、リミックス以外では始めてだよね。
上野「もともと作るトラックも好きだったし、DJも好きだから、今回はお願いしたいなって」
■その人とタッグを組んで出来た“2 THE MAX feat. ZEN-LA-ROCK”はこのアルバムの「くだらね〜」って感じを象徴してるよね。ド頭から、サラ金がイケイケだった頃に深夜に死ぬほど流れてた某CMの曲をTARO SOULが歌い上げるって時点で、死ぬかと思った(笑)。
上野「元々がヒップ・ハウスな感じだったんで、これは絶対ZEN-LA君とのタッグだなって。それでプリプロのときに、ZEN-LA君が『上ちょ、思い浮かんだんだけど、あの曲を組み込んだら絶対面白いよ』って。歌ったらかなりハマったんで、TAROに速攻電話して」
■ちゃんと掛け声もカヴァーしてるし、「愛がシンクロナイズ」のリリックも、元ネタのタイトルのオマージュだったり、その芸の細かさがホントにしょうもないなって。
上野「堂々とオマージュしてますよ(笑)。ゲラゲラ笑いながらだけど。HALFさんもかなり喜んでくれましたね。“ホッピン!”でトラックを作ってもらったLEF!!CREW!!!とは10年以上前から友達だし、ダブとかは何回も録ってたんだけど、キッチリは作ったことがなかったんで、改めて一緒に作ろうかなって」
■アイドル・ライヴで定番の「うりゃおい」の掛け声が下らなかったな〜。BUBKAやってるアイドル・ライヴに潜入する連載「アイドル・ライヴ・オン・ダイレクト」の悪影響がここに出たかと。
上野「DRM MANなんですよ、あの掛け声」
■ドリームハイツのアイドルガチヲタの。だから腰の入った掛け声だったね(笑)。
上野「そういう細部にまで下らない感じはマジでこだわりましたね」
■“沖縄”のホントに沖縄に行っただけ感も、歌詞としてスゴイなって。
上野「あれは警鐘なんですよ。みんなスマホ見ながら寝てるから、質のいい睡眠が取れないんだよ?わかる?って」
■どういうキャラだ(笑)。
上野「沖縄でポケットに携帯入れたまま海に飛び込んでて、携帯が使えなくなった日が、一番良く眠れたから。そういう怪我の功名をみんなに伝えなければ、と(笑)。旅行行ってインスタ上げたり、スマホいじってばっかりじゃなくて、ちゃんと旅を楽しもうっていう、旅の本質を突いた曲ですよ。DJ CELORYさんも超納得して喜んでくれて」
■さすが、優しい先輩ですな。
上野「レコーディングのときはスタジオまで来てくれて、俺たちとちゃんと一緒に楽しんでくれる、尊敬できる先輩ですよ、ホントに」
■その意味では、先輩としてLEON a.k.a. 獅子とDOLLARBILLという後輩を、“RUN AND GUN”で迎えるわけですが。
上野「LEONはよくライヴに来てくれるオバちゃんの友達の息子なんですよね。それでそのオバちゃんがライヴに連れてきて、『ラッパー目指してるから可愛がってあげて』って言われて紹介されたのが最初のコンタクトで。だけど、去年の『ROAD TO レゲエ祭』の決勝まで残ったり実力もあるし、実際にラップもカッコ良いから、機会があったらって話はしてて。DOLLARBILLはF.A.P(藤沢のクラブ)でいきなりフリースタイルを仕掛けてきて。キリッとしたヤツがいきなり仕掛けてきたから身構えたけど、とにかくラップが上手かったから俺もノッちゃって、それで一時間ぐらいフリースタイルやって、そこから仲良くなったんですよね。よく『サイファーして下さい』って言われるけど、ここまでグッとキタやつは久し振りだった」
■その意味でも、ふたり共現場で繋がったんだ。
上野「DOLLARBILLが『高校生RAP選手権』で注目されてるなんて、正直知らなくて。でも、スゲえ礼儀正しいヤツなんですよね。大船のラーメン屋に行ったら、後ろでHIP HOP談義してるヤツがいて、パッと見たらDOLLARBILLだった。それで目が合った瞬間に、立ち上がって直立で『お疲れ様です!』って。店員とかちょっとビビッちゃう勢いで」
■周りから見たら上野君は悪者だよね(笑)。でも、このふたりと組むときに、こういう熱い内容になったのは?
上野「俺たち自身、先輩であるOZROZAURUSと“ヨコハマシカ”を一緒に作らせてもらって、しかもその曲に込めた気持ちを、MACCHO君もDJ SN-Z君も鬼共有してくれてて。そういう“気持ち”を、このふたりと俺っていう形で作りたかったんですよね。フックアップじゃなくて、どれだけ歳下だろうが、ラップがカッコ良くて人間がイケてれば、真っ向からぶつかって曲が作りたい。そういう純粋な気持ちでしたね。この曲はまずDJ BAのトラックがあったんだけど、トラックの時点でグッとくる感じになってて。でも、“BE A MAN”の作り方じゃないけど、エモい曲だったら、エモく作る方法を知っちゃってるから、もしこれでエモい曲を作ったら、なんというか……『見透かされるかな』と思ったんですよね。だから、このふたりが本気で熱い、エモい内容を書いてくれれば、俺もその気持ちに感化されて、ちゃんとぶつかれるかなって思ったし、実際それが出来て。だから、『俺もまだ走るし、走り始めたお前らの気持ちも教えてくれ』っていう内容になったんですよね」
■“BE A MAN”と“エモ”の表出の部分は似てるけど、作り方の構造と構成が違うっていう。
上野「まだふたりのラップは“若い”と思うけど、ディレクションは敢えてしないで、それぞれのスタイルでラップしてもらって。そのグルーヴと気合を崩したくなくて。俺もラップ録り直しましたからね。ちょっと熱でも負けられないと思って」
■このアルバムは最後が“THE LAST”という曲で締められているけど、サンプル盤には入っていなくて。これはまさか……。
上野「それは関係者であってもアルバムで確認してほしいなって。アルバムには入ってるこの曲で、そこで改めて、俺たちがどんな奴だったのかってことを、分かってもらえると思いますね。今回は“THE LAST”で終わって、特典用にも“THE LAST SONG”っていう曲も録ってて」
吉野「“THE LAST SONG”はWATT a.k.a. ヨッテルブッテルのトラックなんすけど、もう寂しくて聴けないですね……色々ありましたね……」
■ジャケットに貼ってあるシールにも「THE LAST ALBUM」って書いてあるけど。
上野「まあそういうことですね。これ以上は特に語ることもないです、正直。今までありがとうございました!」
EVENT INFO
『建設的』〜HIPHOPミーツalグッド何か〜※サイプレス上野とロベルト吉野「コンドル」リリースパーティー※ in Club Lizard YOKOHAMA
日時:4月26日(日)16:00開場/開演(23:00閉演)
場所:横浜Club Lizard(神奈川県)
料金:前売り 2,000円/当日 2,500円/学割 1,000円(要学生証提示/4月に新入学した人はドリンク一杯無料!)/学生服割 1,500円(制服着用なら年齢不問)
RELEASE LIVE:サイプレス上野とロベルト吉野 with GUESTS(ZEN-LA-ROCK/LEON a.k.a.獅子/DOLLARBILL)
LIVE:STERUSS/DEEP SAWER/NONKEY/ISOP/万寿/SMOKIN' IN THE BOYS ROOM/Y.A.S/WATT a.k.a.ヨッテルブッテル/金持ち兄弟
BAND:43K&cheapsongs
DJ:油井俊二/ロベルト吉野/DJ KAZZ-K/DJ KENTA/DJ 49/LEGENDオブ伝説 a.k.a.サイプレス上野
謎:謎みっちゃん
FOOD:CAFE&BAR Spare/上野の唐揚げ棒
物販:RESORT LOVER
(問)Club Lizard:045-663-4755/http://www.club-lizard.com/
※「コンドル」CDジャケットを持参の方、3月29日のプレリリパ IN 江の島オッパーラにご来場の方は、入口で500円キャッシュバック!!!
前売りチケット入手方法:建設的前売り受付メール(kensetsuteki2012@gmail.com)までに
「名前/人数」を必ず明記してお送り下さい。4月26日の15時まで受け付けております。