「憲法カフェ」に取り組む太田啓子弁護士に話を聞いた。これまで憲法に興味を持ってこなかった人々に「立憲主義」などについて語る。安倍政権が集団的自衛権行使容認に向けて安保関連法制を今国会で成立させようとしていることに、「これで日本の安全が守れるのか、かえってリスクが増大することはないか」と危機感を強める。
(聞き手は森 永輔)
太田さんは「憲法カフェ」というユニークな取り組みをされています。まず、読者のために概要を説明していただけますか。
弁護士。国際基督教大学教養学部社会科学科を卒業。2002年に弁護士登録。離婚・相続などの家事事件や、解雇・残業代請求などの雇用関係を主に扱う。2013年から「憲法カフェ」を開始。明日の自由を守る若手弁護士の会メンバー。近著に『これでわかった! 超訳 特定秘密保護法』(共著、岩波書店)
太田:主にこれまで憲法について考えることがなかった人にカフェに集まってもらい、勉強をする場です。「カフェ」と銘打っていますが、居酒屋でやることもあれば、イタリア料理店、病院、保育園、幼稚園、個人のお宅などでやったこともあり、場所は様々です。私は平日の昼間にやることが多いので、幼稚園児を持つお母さんが送迎の間に参加したり、赤ちゃんを連れて参加したりしています。2013年4月から始めました。きちんと数えたことはありませんが、これまでの2年間に100回くらいは行ったと思います。
憲法カフェを始める前、自民党が発表した憲法改正案について解説、講師をする機会が何度かありました。これは、改憲、特に9条改憲に問題意識の強い市民団体や労働組合などからのご依頼でやったものです。参加者の方の多くは、既に関心が高く見識も深く、「憲法のことは初めて勉強する」という初心者的な方は少ない印象でした。このような場だと問題意識は深まり高まるけれどもなかなか広がりづらい、特に、若い層への浸透が課題だろうと感じていました。
ですので、問題意識をもともとそんなに持っていない人々のところに、こちらからアプローチすることが重要だと感じて憲法カフェを始めました。実際、やってきたなかで、これまで憲法に興味を持たなかった層に議論が広がっていく感触を得ています。憲法カフェを行う弁護士仲間も全国的に増えています(明日の自由を守る若手弁護士の会HP参照)。
憲法カフェを始めるきっかけは何だったのですか。
太田:2012年の12月に安倍政権が発足し、安全保障政策を主眼として憲法を変更する取り組みを本格化する姿勢を示しました。「憲法が危険な方向に変えられてしまうかもしれない」という危機意識が高まりました。