3月27日、ギリシャは支援の見返りに実施する一連の改革案を債権団に提出した。写真はヘルメットを着用するバルファキス財務相。アテネで同日撮影(2015年 ロイター/Alkis Konstantinidis)
[アテネ 27日 ロイター] - ギリシャは27日、支援の見返りに実施する一連の改革案を債権団に提出した。当局者によると、改革案には2015年の歳入を30億ユーロ増加させる措置が盛り込まれているほか、同年の財政が若干の黒字になるとの見通しも示されている。
ユーロ圏当局者によると、欧州連合(EU)、および国際通貨基金(IMF)は27日中に同改革案の検証を開始する。ただ、ギリシャ政府当局者は検証は28日に開始されるとしている。
同改革案がEUとIMFに続いてユーロ圏財務相にも承認されれば、ギリシャに支援金が支払われることになる。
ギリシャはこれまでに、脱税防止や公的部門改革など7項目から成る改革案を提出しているが、債権団は不十分としていた。今回提出した案が一段と踏み込んだ内容になっているかは、明らかになっていない。
今回盛り込まれた歳入を30億ユーロの増加させる措置について、ギリシャ政府当局者は、給与や年金の支払いの削減によるものではないと強調。「改革案には景気後退につながるような措置は含まれていない」としている。
ギリシャはこのほか、ある程度の年金制度改革のほか、労働市場改革や民営化の推進なども進める見通し。
また、2015年経済・財政状態については、成長率は1.4%になると予想。基礎的財政収支(プライマリーバランス)は国内総生産(GDP)比で1.5%の黒字になるとの見通しを示した。現在の対ギリシャ支援策の下では3.0%の黒字達成が義務付けられている。
新着
プーチン核発言が招く軍拡競争と米同盟国の危機感
1年前に米ロ核戦争の瀬戸際だったことが明らかに。核の傘が薄まる世界で怯える「持たざる」国の現実 [2015.3.31号掲載]
「目には目を」の壮絶刑、イラン政府の真の狙い
核協議で柔軟な姿勢を見せるイランの残虐行為にどう対処するかが問われる [2015.3.17号掲載]
ドイツに初のイスラム銀行が誕生
反イスラム感情が高まっているといわれるドイツで、急増するムスリム人口に対するビジネスが拡大中