企業の絶対的な強みは、アキレス腱でもある
競争しない競争戦略【第3回】
業界の常識、リーダー企業の強みは、ともすると弱みにもなり得る。「資源を持っていない」ことを強みとして、リーダー企業に同質化されない「不協和戦略」について、事例をもとに論じる。
資源を持つ事による不協和の発生
前回のニッチ戦略に続き、今回はリーダー企業に不協和を起こさせ、その結果同質化されない「不協和戦略」について説明しよう。
①同質化と不協和
リーダー企業の戦略定石として、同質化政策が一番容易であることは初回に述べた。下位企業にとっては、保有する経営資源が劣るため、リーダー企業に同質化されない戦略を採る必要がある。それでは、どのような場合にリーダー企業は同質化しにくいのであろうか。リーダー企業の同質化に関しては、図表1のように、canとwillの視点から4つの状況がありうる。このうち、同質化したいのにできない場合(will & can’t )と、同質化できるのにしたくない場合(can & won’t)に、リーダー企業に不協和(ジレンマ)が生じる。
②リーダー企業が同質化できない状況
それでは、なぜリーダー企業に不協和が生じるのであろうか。それは、経営資源を「持っている優位性」が、逆に戦略遂行の足かせになるからである。
過去の研究からは、
・「累積資産の大きなリーダー型企業の場合、失うものが大きいゆえに保守志向になる」(オールウェイズ研究会編 1989)
・「競争のルールが変われば、長年築き上げた資産は、天恵というより、むしろ災いになりうる」(ゲマワット 1991)
・「最大の資産は、しばしば最大の負債になりうる」(ヨッフィー&クワック 2001)
などと言われている。
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