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専門家 沈没船は戦艦「武蔵」と断定3月13日 17時12分
アメリカの探査チームがフィリピンのシブヤン海の海底で撮影し、インターネット上で公開した戦艦「武蔵」とされる船について、専門家は巨大な主砲があった跡など特徴的な構造が相次いで確認されたことから「武蔵」だと決定づけられたとしています。
アメリカの資産家のポール・アレン氏が率いる探査チームは、日本時間の13日フィリピンのシブヤン海の海底で発見された戦艦「武蔵」とされる船を無人の探査機で撮影してインターネット上で生中継しました。生中継では、深さおよそ1000メートルの海底に沈んでいる船体の各所が、2時間以上にわたって映し出され、探査チームは、「武蔵」の特徴とされる巨大なスクリューや「いかり」、それに菊の紋章があったとされる艦首などを公開しました。
口径が46センチの当時、世界最大の主砲が設置されていたとみられる船体にある大きな空洞も映し出され、日米の複数の専門家は、発見された船はその特徴的な構造などから「武蔵」だと決定づけられたとしています。
「武蔵」は、旧日本海軍が建造した当時、世界最大級の戦艦で、太平洋戦争末期の昭和19年10月にフィリピンのレイテ湾に向かう途中にアメリカ軍によって撃沈され、長く行方が分からないままとなっていました。
アレン氏は、アメリカのIT企業マイクロソフトの共同創業者で8年前から「武蔵」を探していたということで、今後は、日本とフィリピンの両政府と協力して調査を進めたいという意向を示しています。
口径が46センチの当時、世界最大の主砲が設置されていたとみられる船体にある大きな空洞も映し出され、日米の複数の専門家は、発見された船はその特徴的な構造などから「武蔵」だと決定づけられたとしています。
「武蔵」は、旧日本海軍が建造した当時、世界最大級の戦艦で、太平洋戦争末期の昭和19年10月にフィリピンのレイテ湾に向かう途中にアメリカ軍によって撃沈され、長く行方が分からないままとなっていました。
アレン氏は、アメリカのIT企業マイクロソフトの共同創業者で8年前から「武蔵」を探していたということで、今後は、日本とフィリピンの両政府と協力して調査を進めたいという意向を示しています。
ソナーによる海底の様子も公開
アメリカの探査チームは生中継の中で、ソナーと呼ばれる水中音波探知機を使って捉えた海底にある船体の様子を公開しました。それによりますと、艦尾と艦首が分かれて別の場所にあり、それぞれ違う方向を向いて沈んでいる様子が捉えられているほか、船の残骸が海底の広い範囲にわたって散らばっていることが明らかになったとしています。探査チームは、船が沈み始めたとき、何らかの爆発が起きて、船体が割れるように大きく壊れたことを物語っているとしていて、2週間かけて海底を調べた成果だとしています。しかし、いつ、どのように爆発が起きたのかは分かっていないということで、今後の調査で解明が進むかどうか注目されています。
「武蔵」元乗組員「静かに眠って」
太平洋戦争末期に撃沈された戦艦「武蔵」とされる船の姿がインターネットで生中継された映像を見て、「武蔵」の元乗組員で、長崎県南島原市に住む93歳の男性は、「再会でき、ありがたい気持ちです。武蔵や当時の仲間には、静かに眠り続けてほしい」などと話していました。
長崎県南島原市の原口静彦さん(93)は、海軍兵学校を卒業後の昭和17年、砲術士として戦艦「武蔵」に配属されました。
原口さんは、生中継の映像を食い入るように見つめながら、スクリューや、主砲があった場所など、映し出された映像が戦艦のどの部分に当たるのか、話していました。そして、菊の紋章があった艦首の部分が映ると、「航海中、士気高揚のため、ほかの乗組員と共に艦首から、10メートルほど下の海に飛び込み、遊泳していた」などと当時の様子を話していました。
原口さんは、「武蔵」が撃沈されるおよそ1年前、別の部隊に移りましたが、撃沈で亡くなった同僚もいるということで、「70年以上がたって『武蔵』と再会でき、本当にありがたい気持ちです。深海に沈む『武蔵』や仲間の乗組員には静かに眠り続けてほしい」と話していました。
長崎県南島原市の原口静彦さん(93)は、海軍兵学校を卒業後の昭和17年、砲術士として戦艦「武蔵」に配属されました。
原口さんは、生中継の映像を食い入るように見つめながら、スクリューや、主砲があった場所など、映し出された映像が戦艦のどの部分に当たるのか、話していました。そして、菊の紋章があった艦首の部分が映ると、「航海中、士気高揚のため、ほかの乗組員と共に艦首から、10メートルほど下の海に飛び込み、遊泳していた」などと当時の様子を話していました。
原口さんは、「武蔵」が撃沈されるおよそ1年前、別の部隊に移りましたが、撃沈で亡くなった同僚もいるということで、「70年以上がたって『武蔵』と再会でき、本当にありがたい気持ちです。深海に沈む『武蔵』や仲間の乗組員には静かに眠り続けてほしい」と話していました。