北陸新幹線:「福井先行」議論が加速…与党
毎日新聞 2015年03月12日 00時42分(最終更新 03月12日 00時51分)
自民、公明両党は11日、2022年度に開業予定の北陸新幹線・金沢−敦賀間のうち、金沢−福井間の先行開業に向けた議論を本格化させた。政府が「復興五輪」と位置付ける20年の東京五輪までの開業を目指す。責任者には自民党の稲田朋美政調会長(衆院福井1区)が就任。地元では「我田引『鉄』」への期待が高まるが、20年度は政府の財政再建の目標年にも当たるため、稲田氏は財政健全化との両立に頭を悩ませそうだ。【宮島寛】
◇財政再建と両立課題
「北陸新幹線の金沢開業を14日に控え富山県や石川県は活況だ。福井にも一日も早く導き入れたい」。与党整備新幹線建設推進プロジェクトチーム(PT)の下部組織として11日に初会合を開いた先行開業の検討委員会で、委員長に就いた自民党の岡田直樹参院議員(石川選挙区)が声を張り上げた。
会合では、1998年の長野五輪に合わせ北陸新幹線・軽井沢−長野間の工事を10年間から6年間へ短縮させた手法を国土交通省などから聴取し、用地買収や工事加速を模索することを確認した。
整備新幹線は「政治銘柄」と呼ばれる。1月の政府・与党申し合わせで開業の5年前倒しが決まった北海道新幹線・新函館北斗−札幌間は、町村信孝衆院議長(北海道5区)が熱心に働きかけたもので、「町村新幹線」との異名を持つ。
町村氏は昨年12月の議長就任を機に、整備新幹線PT座長を稲田氏に禅譲。石川県が地盤の森喜朗元首相も後押ししており、先行開業に向け「外堀はほぼ埋まった」(政府筋)状態だ。一方、党内ではリニア中央新幹線をめぐり、二階俊博総務会長(衆院和歌山3区)らが名古屋−大阪間の早期開業に向けて動きを活発化させている。
ただ、稲田氏は党の財政再建に関する特命委員長も兼務している。20年度の基礎的財政収支の黒字化達成に向け、6月には社会保障費抑制策などをまとめる当事者だ。検討委は前倒しに必要な財源を最小限に抑える考えだが、「新幹線優遇」との見方が出れば、厚労族を中心に反発が高まることも予想される。